先端5分野、技術開発の達成期限明記 国際研究機構の基本計画案

 

 復興庁は5日、政府が来年4月に浜通りに設立する福島国際研究教育機構の指針となる「新産業創出等研究開発基本計画」案を発表した。ロボットやエネルギーなど5分野で取り組む主な研究内容について、先端技術開発などの達成期間を明記した。期限を定めて計画的に新産業の創出に向けた研究開発を進める。

 主な研究内容と目標年度は【表】の通り。ロボット分野では、温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)の達成を後押しするため、2032年度までに水素を活用して長時間飛べるドローンの実証機を開発する。東京電力福島第1原発の廃炉に向けては、27年度までに遠隔操作で炉内の構造物などに触れた感覚が作業者に伝わる「触覚」の機能などを搭載したロボットの実証を行い、実用化を目指す。

 エネルギー分野では、浜通りを「世界におけるカーボンニュートラルの先駆けの地」とする目標を掲げた。27年度までに、長期間ためることが難しいとされる再生可能エネルギーの電力を水素に変換して貯蔵する「P2G」と呼ばれる技術を開発する。

 放射線の産業利用分野では、28年度までに自動車や航空機などの大型部品を丸ごと計測できる超大型エックス線CTシステムを開発するとした。

 達成期間を定めた一方、機構を「恒久組織」として、長期にわたり新産業創出や科学技術力の強化に取り組む拠点と位置付けた。

 高校生を研究助手に

 基本計画では、研究開発と併せて機構が重視する人材育成に向けた具体的な取り組みも盛り込んだ。機構での将来の雇用を見据えた技術者の長期的な育成と確保に向け、地元の高校生らを対象とした「研究助手制度」を導入する方針。高校生の段階から機構の研究現場で最先端技術を学ぶ環境を整える。