土砂崩れ、居間が泥の海...喜多方市民「まさか一晩で」 記録的大雨

3日から4日にかけて降った記録的な大雨の被害の状況が、時間の経過とともに明らかになってきている。土砂崩れで自宅に大きな被害を受けた喜多方市の住民は5日、再び住めるようになるかどうか分からない室内を見回してため息をついた。避難所から自宅に戻り、被害を確認する住民の姿もあった。
「まさか一晩で家がめちゃくちゃになるとは思わなかった」。喜多方市山都町相川地区の江見幸男さん(75)の自宅内にはガラスの破片が飛び散り、ソファやテーブルは土砂まみれになっていた。電気や水道もまだ復旧していない。江見さんは同地区で生まれ育ったが、大雨でこれほどの被害が出たことはなかったという。
3日深夜、自宅前の県道を挟んで向かい側にある崖が崩壊した。何本もの大木が家に押し寄せ、土砂が窓ガラスを突き破って室内に流入。江見さんが目を覚ますと、居間は一面泥の海になっていた。
大雨で足元がおぼつかない中、同居する妻や息子らと共に何とか近くの集会所まで避難した。4日は沼ノ平地区にある親戚の家で夜を明かした。
保険の担当者に被害状況を見てもらうため、まだ片付けには取りかかっていない。「何もできないのがもどかしい」。当面の間、空きのある市営住宅で生活するという。
江見さんの祖父の代に建てられたという家でリフォームを重ねながら代々大切に住んできた。被害の状況によっては取り壊す可能性もあるという。江見さんは「愛着があるが、こればかりは仕方がない」と家中に散乱した泥に目を落とした。
自宅裏斜面崩れ「恐ろしかった」
同市熱塩加納町の野辺沢行政区の横沢惇子さん(89)は4日、自宅裏の斜面が大雨で崩れたため地区に開設された自主避難所に避難。5日朝、避難所を出て自宅に戻った。「自宅まで土砂が来なくて良かった」。崩れた現場を確認し胸をなで下ろした。
「こんな災害は初めてで、恐ろしかった。避難は今までしたことがなかったので、不安は大きかった」と、自主避難した当時を振り返る。同日は工事の業者が自宅を訪れ、現場を確認した。横沢さんは「今後の天気が分からないので、まだ安心できない」と崩れた斜面を不安げに見つめた。
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