勢津子さまのゆかりの品...会津若松に 尾張徳川家から市に寄贈

 
勢津子さまが作陶された茶わん(左)と勢津子さまが使われていた御手元箪笥

 会津松平家から皇室に嫁いだ秩父宮妃勢津子さまが所蔵していたたんすや直筆の和歌などの遺贈品五十数点が、尾張徳川家から会津若松市へ寄贈された。9月に一般公開される予定で、関係者は「勢津子殿下ゆかりの品は会津にとって歴史的な価値がある。これを機会に勢津子殿下の生涯を多くの人に改めて知ってもらいたい」と話す。

 勢津子さまは会津藩9代藩主松平容保(かたもり)の孫で、明治維新から60年の1928(昭和3)年、孝明天皇のひ孫で昭和天皇の弟宮の秩父宮さまと結婚した。

 戊辰戦争で賊軍とされた会津から皇室に嫁ぐという慶事に、会津の人たちは「朝敵とされた汚名をそそいだ」と湧き上がったという。

 市へ寄贈されたのは、黒塗葵紋散箪笥(くろぬりあおいもんちりたんす)、勢津子さまが作陶された抹茶わんや花生け、和歌が書かれた短冊など、日常生活の中にあったものが多い。

 たんすは会津葵紋があり、結婚の際に持参したものと推測されるという。尾張徳川家には勢津子さまの実妹の正子さまが嫁ぎ、深いつながりがある。尾張徳川家が「ゆかりの品は地元に置く方が良いのでは」と寄贈が実現した。

 一般公開は、9月10~25日、同市の名勝会津松平氏庭園「御薬園」内の重陽閣で行う。重陽閣は、勢津子さまが28年に会津若松市を訪れた際に宿泊した東山温泉・新瀧旅館別館だった建物で、73年に御薬園に移築されたもの。今回は遺贈品の一部と勢津子さまの写真などをパネルで紹介する予定。

 関係者は「一度にこれほどの数が寄贈されたことはない。勢津子殿下ゆかりの品が会津にあるということは大変に意義深い」と話した。