復興庁5292億円で調整 23年度概算要求、農林水産支援338億円

 

 復興庁が2023年度予算の概算要求の総額を5292億円とする方向で調整していることが22日、分かった。東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出方針を巡り、風評の拡大を懸念する本県農林水産業の関係者らを支援する事業には338億円を要求する方針。

 来年4月に浜通りに設立予定の福島国際研究教育機構に必要な事業費については金額を明示しない「事項要求」とし、今後の予算編成過程で金額を調整する。

 海洋放出方針に伴う支援事業の要求額338億円のうち、県産水産物などの販売促進や販路回復を支援する事業に41億円を求める。次世代の漁業人材確保に向け、長期間の研修や、就業に必要な漁船と漁具などのリース代を補助する事業に7億円を要求。原発事故で避難指示が出るなどした12市町村の交流人口の拡大や消費を喚起する取り組みについては22億円で調整している。

 要求項目の柱のうち「創造的復興」の分野では、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の推進に向けては64億円を求める。12市町村の営農再開を加速させるため、新たな産地づくりに必要な施設整備などを支援する事業費に27億円を見込んだ。

 原子力災害からの復興・再生の分野では、帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域(復興拠点)の除染や家屋解体を進めるために435億円を要求。復興拠点から外れた地域の再生に向けた事業も金額を示さない「事項要求」とし、必要な経費を精査する。新規事業として、映像や芸術文化活動を通じて被災地の特色や魅力を発信する取り組みに4億円を求める方針。

 復興庁は与党内の議論を経て、31日にも概算要求を決定する見通し。