サンマ「船凍品」生産へ いわきの漁船、小名浜港水揚げ増図る

 
小名浜港を出港して漁に向かうサンマ漁船。「船凍品」の生産で地元への水揚げ量の増加が期待される=17日、いわき市

 深刻な不漁が近年続いているサンマ漁で、福島県いわき市のサンマ漁船5隻は本年度、同市の小名浜港への水揚げ量を増やすため、船上で魚を冷凍する「船凍品」の生産に取り組む。漁場の遠方化に伴うサンマの鮮度保持につながり、水揚げ量を確保して流通、加工体制を維持するのが狙い。県漁連が23日、同市で開いた復興協議会で計画を示した。

 いわき市のサンマ漁船5隻は昨年度から国の「がんばる漁業復興支援事業」を活用し、新造船を導入するなどして小名浜港への水揚げを回復し、流通の安定を図ろうと試みている。

 5隻の総水揚げ量は昨年度1705トンだったが、近海の三陸・常磐沖に漁場が形成されなかったことに原油高が重なり、小名浜港への水揚げは過去最低の17トンにとどまった。

 県漁連によると、本年度はロシアによるウクライナ侵攻の影響で、ロシア海域で操業できない状況が追い打ちをかけ、サンマの単価がさらに高騰し、小名浜港への水揚げ確保には厳しい状況が続くと想定される。

 このため、県漁連は本年度、各船5トン以上の船凍品を含め、計280トン以上を水揚げする目標を掲げた。

 船凍品はサンマが豊漁だった2000年代半ばには各船の判断で生産していたが、漁獲量の減った近年は作られていなかった。本年度は需要を把握するため、加工業者が利用しやすいように船凍品専用の箱を漁船に積み込んでいるという。

 県水産加工業連合会の小野利仁会長は「船凍品はおおむね鮮度が良い。船上でのサイズの選別方法が課題となるが、水揚げ量の増加に期待したい」と話した。