子どもの車内放置危険 夏場の密室、短時間で熱中症

 
炎天下では、自動車の車内温度は極めて高くなる。子どもを車内に置き去りにすることがないよう、注意が必要だ(写真はイメージ)

 猛暑の中、自動車内に置き去りにされた子どもが熱中症で死亡する痛ましい事件・事故が全国で後を絶たない。置き去りは「特殊なケース」と捉えられがちだが、都内の企業が行ったアンケートで、ドライバーの実に5人に1人が子どもを残して車を離れたことがあると回答した。子どもを車内に置き忘れた経験がある人もおり、身近に起こり得る事故である実態が浮き彫りになった。まだまだ暑い日が続く福島県でも注意が必要だ。

 「スーパーなどの駐車場で、車内でスマートフォンなどを操作しながら1人で親の戻りを待っている子どもを見かけた」。小学生と幼稚園児の子どもがいる福島市の30代女性は、そんな光景を見て不安になったことがあるという。この女性は、子どもだけを残して車外に出ることはないと話す。一方で、小学生と未就学児の子どもを持つ同市の30代女性は「5~10分の買い物ならばエアコンをつけて鍵を閉めていくこともある」と打ち明ける。

 夏場の車内は危険が潜む。日本自動車連盟(JAF)が2012(平成24)年8月の昼間に行った実験では、屋外に止めてエンジンを切り、窓を閉め切った状態の車内の温度は、25度だったのが10分後に38度近くに上昇、30分後には45度まで上がった。

 JAFは、子どもが車内に閉じ込められたとして出動した件数を集計している。県内では今年5~7月に計21件あり、子どもが車のキーをいじっているうちに閉まってしまうケースなどが多いという。

 福島医大小児科学講座の細矢光亮教授は「密閉された真夏の車内では、汗をかいて体温はますます上がる。大人に比べて子どもは体内の水分の代謝が活発で、車内に置き去りにされて水分補給ができない状態だと熱中症になりやすい」と注意を呼びかける。

 子どもの車内置き去りを検知するシステムなどを取り扱う三洋貿易(東京都)は7月、12歳以下の子どもを乗せて運転するドライバー約2650人を対象にアンケートを実施。直近1年間で車内に子どもだけを残して離れたことがある人は5人に1人に上る。また14人は子どもを車内に置き忘れた経験があった。

 同社によると、海外では子どもの置き去りを防ごうと、最新技術の導入や法による規制が進んでいる。米国では昨年、子どもが後部座席にいないかどうかの確認を促すシステムの搭載を求める法が成立したケースもあった。

 同社産業資材第1事業部の太田直樹さんと堀内登志徳さんは「日本では車内置き去りは親の責任やモラルの問題になりがちだが、欧米の多くの人は、技術を用いれば(車内置き去りが相次いでいるという)現状を変えられるという認識を持っている」と、日本と海外の意識の違いを指摘。置き去りを防ぐ仕組みづくりの必要性を訴えた。(津村謡、八巻雪乃)

 来月以降も高温か

 仙台管区気象台は23日、東北地方の9~11月の3カ月予報を発表した。暖かい空気に覆われやすいため、気温は平年並みか高いと見込む。

 ▽9月 気温は平年並みか高く、降水量はほぼ平年並み。天気は数日の周期で変わる。
 ▽10月 気温は高く、降水量はほぼ平年並み。天気は数日の周期で変わる。
 ▽11月 気温と降水量はほぼ平年並み。平年と同様に、日本海側は曇りや雨または雪の日が多く、太平洋側は晴れの日が多い。