大熊、双葉の復興拠点外除染23年度に 自民本部、提言へ

 

 自民党東日本大震災復興加速化本部が、東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域のうち、大熊、双葉両町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた一部地域で、2023年度に除染を始めるよう政府に求める方針を固めたことが23日、分かった。近く取りまとめる政府への第11次提言に復興拠点外の除染方針が盛り込まれる見通し。

 大熊、双葉両町を復興拠点から外れた地域の避難指示解除に向けたモデル事例と位置付け、先行して除染を進めるよう求める。除染範囲や手法については、住民が分かりやすいよう地図上に整理するとともに、居住地の状況に応じて複数の除染パターンを示すよう提案する。

 復興拠点外を巡っては、政府が20年代に全ての希望者の帰還を目指すとしているが、具体的な取り組みを明示していない。復興本部は、一部地域での除染開始時期を23年度と提言に明記することで、政府に復興拠点外の再生に向けた早期の対応を促す狙いがある。

 一方、復興本部は提言で、政府が来年4月に浜通りに設立する福島国際研究教育機構に関し、長期にわたる安定的な運営を支える組織体制や財政基盤を政府を挙げて構築するよう求める。

 国内外の研究者らが滞在する機構の周辺についても設立の効果を広く波及させるため、市町村の垣根を越えて広域的な視点で環境を整備するよう働きかける。

 福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針を巡っては、海域モニタリング(監視)の頻度や対象範囲の拡充を提案。消費者や流通業者らの思い込みなどから起こる風評の構造に着目した対策や、県産農林水産物の販売促進も重点項目に掲げた。復興本部は9月に第11次提言を岸田文雄首相に提出する方針だ。