戦争風化させない 大熊遺族会、復刻の戦没者写真集を全遺族配布へ

 
「悲惨な戦争を繰り返さないために、配布を続けたい」と話す沢原さん

 終戦から77年となった今年、大熊町遺族会は、復刻した戦没者写真集の遺族への配布を進めている。会長の沢原善男さん(80)には、東京電力福島第1原発事故による避難の影響で所在が分からない遺族にも送りたいという強い思いがある。「住民がバラバラになっているからこそ、町民の犠牲を伝えていくことが重要だと思う」と話す。

 戦没者写真集は1980(昭和55)年に作られたものを、町と遺族会が2年前に復刻版として発行した。町関係の戦没者263人のうち、遺族らに確認がとれた198人の顔写真やプロフィル、戦死した場所などを詳細に載せ、戦争の悲惨さや平和の大切さを訴えている。

 戦没者写真集の復刻について、多くの関係者から感謝が寄せられているが、住民の所在が分からず全ての遺族に配布はできてない。沢原さんは「戦争を知らない世代が増え、親族が戦死していることを知らない人すらいる。悲惨な戦争を繰り返さないために、戦没者の関係者への配布を続けたい」と話す。

 遺族会は、所在が分からない遺族からの連絡を求めている。連絡先は遺族会事務局の町社会福祉協議会(電話0240・23・5171)へ。