白河の関「仙台育英特需」拡大 御朱印に列、市内にも観光客

 
白河の関にある白河神社で御朱印を求める長蛇の列=28日午後、白河市

 全国高校野球選手権大会の仙台育英優勝で、注目度が高まる福島県白河市の「白河の関」に連日、大勢の観光客が訪れている。歴史ファンにはなじみ深い史跡だったが、今度は高校野球の新たな「聖地」として脚光を浴びる。市内ではブームを観光誘客につなげようと、新たな動きも出始めている。

 深紅の優勝旗が初めて白河の関を越えて初の週末となった27、28日、白河市の国指定史跡・白河関跡にある白河神社には、御朱印を求める長蛇の列ができた。「育英の優勝を祝って白河に来てみた」と話すのは、宮城県の会社員脇沢幸子さん(33)。ツイッターには「御朱印を求めて2時間弱並んだ」などの投稿もあった。同神社の宮司西田重和さん(74)は「いままで土日は4~5人しか来なかったのに、今では300人ぐらい(御朱印を)もらいに来る。高校野球の聖地として遠くから来てくれる人もいてうれしい」と驚く。

 白河の関は白河市の市街地から離れ、これまでは目立った観光名所とはいえなかった。しかし甲子園の決勝翌日から訪れる人が急増し、影響は市内各地にも波及している。同神社から10キロほど離れた南湖神社の宮司中目公英さん(61)によると、白河神社で御朱印をもらった観光客が南湖神社にも足を運んでいるという。「例年より多くの参拝者が来て授与品を追加発注した。大変な波及効果がある」と話す。

 こうした大きな反響を早速、観光客増につなげようと行政なども動き出す。白河観光物産協会は、白河関跡に隣接する白河関の森公園の売店に「祝 白河の関越え」のポップを掲載。白河ラーメンなどのお土産販売も開始した。26日に販売を始めた記念まんじゅうも予想以上の人気で大幅に追加発注したという。

 市も市内の観光スポットを訪れた人に知ってもらおうと、白河神社にガイドブックを設置。市公認キャラクター「しらかわん」と白河の関とのコラボグッズの製作にも乗り出した。鈴木和夫市長は「白河の関は白河だけのものではなく、東北全体のもの。人気を一過性にせず、いろいろな方法を模索し、白河の関の歴史や魅力を全国に発信していきたい」と意気込む。

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 白河の関 奥州三古関に数えられる奈良~平安時代ごろの国境の関。人や物資の通行を取り締まっていたが、律令制の衰退とともに関所の機能を失った。「みちのくの玄関口」として都の文化人が憧れ、和歌の名所としても知られる。松尾芭蕉も訪れたとされる。1800年ごろに白河藩主松平定信が調査し、白河の関の場所を定めて「古関蹟(こかんせき)」の碑を建てた。