来年中にまちづくり全体像 復興拠点避難解除、伊沢双葉町長に聞く

 
避難指示解除に当たり復興への思いを語る伊沢町長

 双葉町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示解除に合わせ、伊沢史朗町長に今後のまちづくりの課題などを聞いた。伊沢町長は、復興拠点で段階的に整備を進め「来年中には全体像を理解してもらえる状況になる」との見通しを示した。

 ―東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から11年5カ月余りが過ぎる中、復興拠点の避難指示が解除された。現在の心境は。
 「震災当時、そして私が町長に就任した2013年当時のことを考えると、現在のような状況になることは全然想像できなかった。(町内の大半が帰還困難区域となった)双葉町にとって、復興の取り組みの実質的なスタートは(帰還困難区域に復興拠点を設けることを認めた)17年の福島復興再生特別措置法改正からだった。限られた時間の中で復興拠点の避難指示解除を実現できたのは、職員と支援していただいた全国の方々のおかげだ」

 ―復興拠点のまちづくりをどのように進めるか。
 「復興拠点ではコンパクトなまちづくりを目指している。朝起きたときに周りに誰もおらず、夜は真っ暗では不安になる。JR双葉駅西口の住宅に集まって暮らしてもらうことで、精神的にも防犯面でもメリットがあると考えた」
 「まだ(拠点整備の)全体的なものが見えていないが、来年中にはわれわれがイメージする新しい、オリジナルのまちづくりを皆さんに理解していただける状況になると期待している」

 ―多くの住民が帰還するにはまだ時間がかかる状況の中で、町は町外で避難生活を続ける町民とどのようにつながっていく考えか。
 「県内外に避難している方は近くに行政機能がないと不安を感じると思う。今月27日に双葉町内に役場新庁舎が開庁したが、郡山支所や埼玉支所、現在のいわき事務所はいわき支所として残す。町民とのつながりは続くし、行政としてしっかり取り組んでいく」

 ―復興拠点から外れた帰還困難区域への対応は。
 「政府との約束は、帰還困難区域全ての避難指示解除だ。拠点外について、20年代に帰還したい人に戻ってもらうように取り組む政府方針が出された。一歩前進だが、まだ足りない。拠点外の町民の希望をどれだけ取り入れてもらうか、政府との協議を進めていく」

 ―長期的なまちづくりには第1原発の廃炉と、中間貯蔵施設に保管された廃棄物の県外での最終処分の実現は欠かせない。どう政府に訴えるか。
 「廃炉は時間を決めてやるよりも安全・安心を第一とするよう政府と東電に申し入れていく。中間貯蔵施設の廃棄物は法律で(搬入から30年後の)45年までに県外搬出することが決まっており、もう残り時間のカウントダウンが始まっている。政府は最終処分に向け、スケジュール感を持った取り組みを示してほしい。われわれとしては必ず順守してもらうという覚悟だ」