福島県内3漁協、底引き漁9月1日再開 2カ月の休漁経て操業

 
漁の再開を間近に控えた沖合底引き漁船=相馬市・松川浦漁港

 相馬双葉漁協など県内3漁協に所属する底引き漁船は9月1日、2カ月間の休漁期間を経て操業を再開する。原発事故後、水揚げ量は大きく落ち込んだが、操業自粛による資源回復もあり段階的に増えてきた。だが、資源量が原発事故前の水準に戻りつつある海域もあり、さらなる水揚げ拡大には資源状況などのデータを活用した操業が必要との声も出ている。

 県水産資源研究所(相馬市)によると、本県沖での底引き漁船の実質的な稼働時間を示す「曳網(えいもう)時間」は、2021年度(昨年9月~今年6月)が原発事故前の25%となる1万7938時間にとどまったが、水揚げ量は52%の2899トンだった。稼働状況を上回る水揚げ量の増加は、他県沖での操業見合わせが続く中、操業自粛で豊富になった本県沖の資源状況が影響しているという。

 資源状況の指標となるCPUE(曳網1時間当たりの漁獲量)をみると、原発事故前は本県沖で77キロだったが、休漁後の12年度は3倍近い228キロに急増。21年度は162キロとなったが、原発事故前の2倍程度を保っている。CPUEは地域差もあり、21年度は水深200メートル付近で最も高く、それより浅い海域では北部で高く、南部で低い傾向がみられた。

 研究所の佐久間徹副所長は「資源状況は原発事故前に比べ、高い水準で維持できているが、緩やかに低下してきている。本格操業に向け、さらに曳網時間が増えることを考えると、最新のデータを参考に資源量が豊富な海域を有効利用する必要がある」と指摘した。