福島県沿岸10市町、津波浸水域想定3%減 道路かさ上げなど要因

 

 県は31日、東日本大震災で発生した津波など、想定される最大級の津波による本県沿岸10市町の浸水想定区域図(想定図)を公表した。2019年3月に公表した想定図と比べると、全体の浸水面積が3%減ったほか、新たな浸水箇所はなかった。県は想定図を周知し、県民の避難行動につなげたいとしている。

 前回は東日本大震災と房総沖地震による津波を想定して作成した。今回は日本海溝地震、千島海溝地震を加えて見直したが、東日本大震災の津波による浸水がおおむね上回り、大幅な変更はなかった。浸水面積の減少は、復興事業による道路のかさ上げなどで津波の勢いが減衰することが要因。浸水する深さは同様の理由から全体の8%で浅くなったが、防災林の整備などにより1%程度の範囲で深くなった。

 市町村別の浸水面積をみると、南相馬市の4418ヘクタールが最も広く、いわき市3554.4ヘクタール、相馬市2765.5ヘクタール、新地町970.9ヘクタールなどと続いた。市町村の面積に対する浸水割合は新地町が20.9%で最大。相馬市14%、南相馬市11.1%で、最も小さかったのは広野町の2.8%だった。

 海岸ごとの最大遡上(そじょう)高は相馬海岸の23.4メートルで、最大水位は鹿島海岸の22.1メートルが最も高くなった。津波の第1波到達時間が最も早いのは、東日本大震災級の津波を想定した場合の平・磐城海岸で27分となっている。

 想定図の公表は、市町村による津波ハザードマップの整備や避難所の確保など迅速な住民避難につなげるのが狙い。本県沿岸部を23分割して作成しており、満潮時などの悪条件で発生した四つの津波を重ね、最大の浸水区域(浸水域)と水深(浸水深)を設定した。地盤データも20年度末のものに変更した。

 市町村は想定図を基礎資料としてマップの見直しが必要かどうか検討する。県は「市町村以外に県民にも閲覧してもらい、住んでいる地域などの状況を把握して避難行動につなげてほしい」(河川計画課)とした。

 県HPに掲載

 津波浸水想定区域図は県河川計画課のホームページに掲載されている。