広がるパラスポーツ!定着期待 福島県内環境整備、触れる機会増

 
体験教室でボッチャの魅力を伝える村上さん(左)=8月25日、白河市

 東京パラリンピックから1年がたち、県内のパラスポーツを取り巻く環境が徐々に変わりつつある。競技の知名度向上や環境整備に加え、競技に触れる機会も増え裾野が拡大。新型コロナウイルスの感染拡大が一部で影を落とすものの、パラスポーツを通じた多様性ある社会づくりが少しずつ前に進み始めている。

 注目集めるボッチャ

 白河市のみさか小で8月25日に開かれた体験教室。「ボッチャを知っている人、いますか」。先生からの質問に児童の大半が手を挙げた。「競技者やそれを支える人が増え、レベルが上がっている。やってみたいという人も増えている」。教室の講師を務めたボッチャ日本代表監督の村上光輝さん(48)=白河市=は、パラスポーツを取り巻く環境の変化を口にする。

 ボッチャの日本勢は東京パラで金、銀、銅のメダルを獲得。ボッチャコートが東京都の渋谷区役所に常設されたほか、県内でも福島市の福島トヨタクラウンアリーナや白河市役所などにも一時設置された。村上さんによると、日本ボッチャ協会の会員は毎年100人ほど増えており、協会のツイッターアカウントのフォロワーも右肩上がり。「パラ競技でこれだけ注目され続けるのは珍しい」と話す。

 教室では、村上さんが競技のルールなどを紹介。児童らは試合形式でボッチャを楽しんだ後、パラリンピックの試合映像を視聴した。村上さんは「ボッチャはチームワークが大切な競技、チーム一丸となったことで日本代表もメダルを獲得できた」と児童に語りかけた。同校4年の青木優依さんは「パラスポーツは将来、普通の人と障害のある人が仲良くなるためのスポーツなんだなと思った」と話した。

 共生や多様性、浸透

 「共生や多様性という言葉は間違いなく浸透してきている」。車いすバスケットボールでパラリンピックに4度出場経験がある県障がい者スポーツ協会の増子恵美さん(52)は実感を込める。

 県内では今年、医療・福祉系の学生らを対象に、障害者を支える側の人材育成の取り組みもスタート。協会の出前講座も出張先が従来の学校から企業などにも波及し、「裾野は着実に広がっている」とみる。初心者対象の教室も6月末現在で実施回数、参加人数とも前年を上回る勢いで推移。障害者にとって社会参加の場でもあり、増子さんは「(体力維持だけでなく)心の健康が保たれている」と強調する。

 残るコロナの影響

 一方で新型コロナウイルスの影響は依然残る。パラスポーツはマスクをしてできる競技も多いが、大会などの移動は感染のリスクになる。村上さんは「(東京パラ前にボッチャの代表合宿を行った)白河市に行ってみたいといった声があるのに、コロナが足止めしている部分もある」と残念がる。東京パラを機に一層理解が進んだパラスポーツ。ボッチャの普及にも積極的に取り組む村上さんは「パラスポーツではなく、一般のスポーツとして定着し、障害に関係なく広まってほしい」と期待する。