新たな放射線がん治療に「重粒子線」 山形大医学部センター導入

 
山形大医学部が導入した重粒子線治療を行う装置「回転ガントリー」

 山形大医学部東日本重粒子センター(山形市)は、北海道・東北で唯一、新たな放射線がん治療「重粒子線治療」を導入している。センターによると、一般的なエックス線治療より、がん周囲の被ばくが少なく、骨肉腫や膵臓(すいぞう)がんなど、陽子線やエックス線が効きにくいがんにも効果が期待できるほか、治療期間も短くなるとしている。

 センターによると、重粒子は炭素を原子核とする放射線の一種で、水素を原子核とする陽子の12倍重い。原子核を光速の70%程度に加速してがんにぶつけて治療する。

 重粒子線を360度自由に照射できる装置「回転ガントリー」を使い、前立腺がん、頭頸部(けいぶ)がん、大腸がん術後再発、骨盤部肉腫の治療を実施している。今後は肺など呼吸で動く臓器への治療も対象疾患に加える方針だ。

 保険が適用されて、自己負担は数万~数十万円程度という。一般的に保険適用のがんは前立腺がん、耳鼻科のがん、骨軟部腫瘍、膵臓がん、肝臓がん、肝内胆管がん、大腸がん再発、子宮頸部腺がんとなっている。

 根本センター長意欲「認知度上げたい」

 根本建二センター長は1日、福島民友新聞社の取材に「がん治療の選択肢として、患者や医師に考えてもらえるよう認知度を上げていきたい」と意欲を示した。

 玉手英利学長は「南東北地方を粒子線治療で盛り上げていきたい」と展望を語った。治療を受けるには主治医からの紹介が原則で、根本氏は「理解ある医師もいるが、まだ少数にとどまり、患者から相談するのが理想だ」と述べた。

 纐纈(こうけつ)晃理事、原拓也総務課秘書広報室係長が同席した。問い合わせは同センター(電話023・628・5404)へ。