国道121号不通、迂回通学2時間半 大雨1カ月、喜多方-米沢

 
米沢中央高に向かう送迎バスに乗り込む生徒=喜多方市

 会津北部を中心とした記録的大雨から、3日で1カ月となった。浸水被害を受けた住宅や農地などで復旧作業が本格化する中、国道121号は山形県側で道路の一部が崩落し、再開通の見通しは立っていない。会津地方と山形県をつなぐ唯一の幹線道路が絶たれ、日常生活や経済活動に大きな影を落としている。

 国道121号は喜多方市から山形県米沢市につながり、約50キロ離れた両市を40分~1時間ほどで行き来できたが、現在は福島市を経由する迂回(うかい)路を使わなければならない。所要時間は約2時間半に増え、影響は拡大している。

 周囲がまだ静かな午前6時ごろ、米沢中央高に向かう喜多方市のバス乗り場には、眠い目をこすりながらバスを待つ高校生の姿がある。「睡眠時間を削られ、精神的に疲れが取れない」。喜多方市から米沢市に通う渡部優さん(18)は嘆く。

 同校は硬式野球や女子サッカー、女子ソフトボールなどの部活動が盛んで、本県から入学する生徒も多い。喜多方市をはじめ、会津若松市や北塩原村、西会津町から約20人が送迎バスで通学している。

 迂回路は磐越道と東北道を通り、福島市で東北中央道に接続して山形県米沢市に向かうルート。各バス停を巡回するため、高速道路を使っても片道約2時間半かかるという。会津若松市と西会津町の生徒2人は、米沢市で下宿しているほどだ。

 喜多方市から通う渡部さんの父隆行さん(44)は「3年生は部活もなくなったため、早く帰宅させたい。もし、子どもに何かあったときにすぐに駆け付けられないのが不安。早く道路が復旧してほしい」と望む。

 喜多方の観光地、客足戻らず

 観光への影響も大きい。喜多方市の「道の駅喜多の郷」では、国道121号の通行止めにより、レストランと売店の売り上げが落ち込んだ。同道の駅を運営する市ふるさと振興の専務、大塚哲弥さん(61)は「8月はお盆と重なり、利用客が多い時期だが、予想以上に利用客が少なかった。秋は行楽シーズンだが、正直厳しい」と表情を曇らせる。

 今年4~7月の売り上げは新型コロナウイルス禍の直近2年と比べて、増加傾向を示していただけに、落胆は大きい。今年はヒマワリ畑が広がる三ノ倉高原が3年ぶりに来場者を迎えたことなど好材料も多かったが、8月の売り上げは目標の6割となる約1000万円にとどまり、大塚さんは「道路が復旧する見通しがつかないと対策もできない」と不安を募らせる。

 国交省が設計中

 国道121号の復旧を巡っては、管理者の山形県に代わり、国土交通省が「権限代行」で復旧工事に当たる。崩落した道路の上に仮橋をかけ、片側通行とすることも計画しており、現在は設計段階だ。崩落現場は本県境から山形県側に約4キロ離れた場所で、斜面が約80メートルにわたり崩れた。