Jヴィレッジ周辺整備、交流人口拡大へ 避難解除7年で楢葉町長

 
「Jヴィレッジの周辺環境を整え交流人口の拡大を図りたい」と語る松本町長

 楢葉町は5日、東京電力福島第1原発事故による全町での避難指示が2015年に解除されてから7年を迎える。松本幸英町長は福島民友新聞社の取材に、Jヴィレッジ周辺にサッカー用のピッチや駐車場、レクリエーション施設などを整備し、交流人口の拡大を図る考えを明らかにした。

 Jヴィレッジを巡っては24年夏から、全国高校総体(インターハイ)の男子サッカーが固定開催される。松本町長は「町総合グラウンドに、サッカーの試合ができるピッチを整備する。道の駅ならはの向かいの土地を造成しており、駐車場にしたい」と述べ、受け入れ態勢などを強化する方針だ。

 道の駅周辺に整備する土地には「子どもたちが楽しめる『遊び場』的なものも検討したい」と説明。その上で「サッカーという枠にとどまらず(震災後12年ぶりに海開きされた)岩沢海水浴場とJヴィレッジ、道の駅を(面的に)結んだ整備により来訪者が滞在できる環境を整えたい」とした。

 また「Jヴィレッジは楢葉だけのものではない。双葉郡全体のものだ」と強調、効果を地域全体に及ぼしたいとの意向も示した。併せて「行政がやるかどうかは別にして、宿泊施設の整備もしていかなければならない」と語った。

 住民企画の地域活動後押し

 松本幸英町長に、町の復興の現状やまちづくりの課題などについて聞いた。

 ―町長はハード面の整備はほぼ終了し、ソフト面が課題と発言してきた。この1年の進展はどうか。
 「まちづくり会社のならはみらいが、6月に移住定住に関する総合的な相談窓口『コドウ』を開設した。首都圏の学生らの視察を受け入れるなど、順調な滑り出しとなっている。楢葉小には地域学校協働センターを設け、地域と学校の新しい連携が始まっている」

 ―8月に住民有志による新たなイベント「ならは百年祭」が行われた。町内の民間の動きをどうみるか。
 「ならはみらいが公募した23人の町民有志が、自主的に企画して新しい祭りをつくった。住民の自発的な地域活動を行政が後押しするという理想的な形ができた。(町に協力してくれる)アンバサダーも13人となった。彼らとの関係を大事にし、その人脈を生かした活動を広げていきたい」

 ―町内でサツマイモの生産を手がける「福島しろはとファーム」が新たな育苗施設を完成させた。農業振興にどう取り組むか。
 「サツマイモ栽培は農家の収益率を上げるとの目的で始まった。これまでの積み上げで方向性ができたと思う。育苗施設の近くには農産物の加工施設を整備する。サツマイモやユズ、コメなどの6次化商品を作り生産者と消費者が共に喜ぶような状況にしたい。道筋は固まってきたと思う」