処理設備の強化必要 デブリ取り出し、汚染水念頭にNDF理事長

 

 原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)の山名元(はじむ)理事長は3日、東京電力福島第1原発の溶融核燃料(デブリ)取り出しの工程で発生する汚染水を念頭に、現状の処理設備の能力を強化する必要があるとの考えを示した。

 取り出しでは、水をかけながらデブリを切り取る作業が想定され、粒子などが水に含まれる可能性がある。山名氏は、いわき市で同日開かれた政府の廃炉・汚染水・処理水対策福島評議会で「どうなるかの想定は難しいが、どんなものにも対応できる設備構成にする必要がある」と述べた。NDFが示した「廃炉戦略プラン案」にも同様の方針が盛り込まれた。

 処理能力の強化について、山名氏は原子炉近くに小型の設備を新たに設置することを提案。「ALPS(多核種除去設備)での処理を基本」に、小型設備で浄化した水をALPSで処理することで汚染水を管理するとの想定を示した。

 プラン案には、3号機のデブリ取り出しのため原子炉建屋全体を構造物で囲い水没させる「冠水工法」の検討も組み入れた。山名氏は冠水工法を「放射性物質を漏らさない、出さないことを突き詰めた工法。閉じ込め能力は最も強い」と評価し「初期の設計計画では、水の管理は十分できると考えている」と語った。

 プラン案では3号機のデブリ取り出しについて、冠水工法のほか、空気中で取り出す「気中工法」も挙げているが、いずれも取り出し作業に伴う廃棄物の増加などに課題があるとした。