空き蔵利活用へ家賃補助 喜多方の南町報徳社、新規創業者対象

 
喜多方市小田付地区で使われていない蔵や古民家の利活用に向け話し合う南町報徳社のメンバー

 江戸時代末期の農村復興に尽力した二宮尊徳の教えを通して地域貢献活動を進めている喜多方市の南町報徳社は、国の重要伝統的建造物群保存地区の同市小田付地区で使われていない蔵や古民家を利用した新規創業者に家賃を補助する制度を新たに設けた。同地区は江戸時代末期以降の建築物が現存しているが、廃業などで使われていない建物も多く、にぎわい創出に向けた活用が課題となっている。

 同地区は、店蔵や座敷蔵、醸造蔵、穀蔵など用途の異なる蔵が数多く残り、通りの両側に形成された短冊形の町並み、水路などが現存する。星宏一副理事長は「数多くの蔵が残る小田付地区は魅力にあふれたまち。先人から受け継いだこのまちを、後世に伝えていける持続可能な地域に貢献していきたい」と制度の趣旨を話す。

 蔵や古民家は建物が大きく、水回りもないことが多いため、賃貸料と初期投資が高額になることがネックとなり、借り手が「二の足を踏むケースが多い」(星副理事長)という。新規創業者に賃貸料の一部を補助することで、ハードルを下げる狙いがある。

 対象は、同地区の中心となるおたづき蔵通り沿いとその周辺で、新たに創業する個人と法人。2年以上の営業が条件で、補助期間は原則1年。補助額は賃貸料の3分の2、年間の総額は最大30万円。状況に応じて3カ月ごとの延長も認めるが、補助額は減額となる。

 2018年には地元有志が出資して会社を設立し、廃業した醸造業社の蔵を改装、新たに飲食店として再生させた例がある。

 ただ店舗経営には冬期間、観光客が少なくなるという雪国ならではの難しさもある。星副理事長は「ネット通販などで収益が確保できる仕組みが大切になる」と話す。

 問い合わせは星副理事長(電話090・1937・6913)へ。