「ばれなければ金入る」 塙の強盗殺人、数時間前侵入思い立つ

 

 塙町で今年2月、菊池ハナ子さん=当時(75)=が殺害され、奪われたキャッシュカードで現金300万円が引き出された事件で、強盗殺人や窃盗などの罪に問われた建築板金業の孫(19)=矢祭町=の裁判員裁判の第2回公判は8日、地裁郡山支部(小野寺健太裁判長)で開かれた。孫は被告人質問で、菊池さん方を狙った理由について「ばれなければ、(菊池さんに)迷惑をかけずに金が手に入ると思った」と述べた。

 孫は被告人質問で、個人事業主として手取りが月40万円あったが、事件当時は手元に5万円ほどしかなかったと説明した。車の修繕道具費など10万円が必要となり、事件の2、3時間ほど前に、キャッシュカードなどの収納場所が分かる菊池さん方への侵入を思い立ったと述べた。「(菊池さん方に行けば金が手に入るという)軽い考えがあった」と話した。

 弁護側から祖母への思いを問われると「自分を親代わりに育ててくれたこともあるし、困った時に助けてくれたので感謝している」と供述。繰り返し殴った理由については「孫というのもばれたくなかったし、殴っている自分を止められなかった」と述べた。

 この日は証人尋問も行われた。遺体を司法解剖した医師は、菊池さんの頭の傷の数などについて説明し、検察側は医師の証言を基に孫に「頭部だけで15、16回程度殴ったということで間違いないのか」と問うと、孫は「納得できない」と否定。殴った回数は「10回前後だ」と改めて主張した。

 弁護側の証人として孫の両親が出廷。菊池さんの次男でもある父親は「家庭内の事件だと気持ちを抑えているので、被害者の息子だとしてもあまり重い罪は望まない」と述べた。

 遺族代理人は、菊池さんの長男の意見陳述を紹介。「あれだけのことをする人が更生できるとは思えない。身内だが、私にとって母ちゃんを殺した犯人。できれば刑務所に入れてずっと出てもらいたくない」などと読み上げた。

 4月施行の改正少年法により「特定少年」と位置付けられた18、19歳で、福島地検が起訴後に氏名を公表した被告の公判は県内初。次回論告求刑公判は9日午後1時20分から開かれる。