園児の送迎バス置き去り防ぐ 福島県内、3歳死亡受け対策点検

 
降車後、園児がバス内に残っていないか確認する職員=福島市・福島愛隣幼稚園

 静岡県の認定こども園「川崎幼稚園」で園児が通園バスに取り残され死亡した事件を受け、県内の幼稚園などは送迎バスの置き去り防止対策の点検に着手している。県私立幼稚園・認定こども園連合会は事件を受け、二重三重の安全確認の徹底などを加盟する約140園に通知した。「大切な子どもを預かっているという責任をさらに強く持つ」。関係者は、万が一にも痛ましい事件を起こしてはいけないと決意を口にする。

 福島愛隣幼稚園(福島市)は静岡の事件の翌日に緊急ミーティングを開いた。送迎バスの置き去りを防ぐ対策の徹底について話し合い、マニュアルを確認した。「『うちの園では絶対に起こらない』と思ってはいけない」。園長を務める女性はそう話す。

 同園では送迎バスを3台運行。保護者はアプリを使って園児の出欠を提出し、バスの運転手と同乗する職員、園内の職員らが出欠の情報を共有する。乗車予定の園児がバス乗り場にいない場合は、園や保護者にすぐに連絡し状況を確認するという。降車時は、同乗の職員と園内の職員が園児の出欠情報を再度確認するとともに、運転手と同乗の職員の2人が園児が残っていないか車内を点検する。園長の女性は「アプリなどは便利になっているが、自分たちの目で確認し合うことが一番大切」と強調した。

 安積幼稚園(郡山市)も園児を送迎した後は必ず車内を見回り、降りていない園児がいないか確認するほか、乗車した園児の名簿でチェックする。過去にも他県で同様の事件があったため以前から対策を強化しているが、安藤重之園長(52)は「職員間で対策を再確認していきたい」とした。

 県私立幼稚園・認定こども園連合会は7日に加盟する園に送った通知で、安全確認の徹底のほか、アプリだけに頼らず顔を見合わせて確認することなどを求めた。静岡の事件は複数のミスが重なって発生したとみられているが、連合会の平栗裕治理事長(74)は「原点に返り、最優先である子どもたちの安全と安心のために取り組む」と話し、今後、事故を受けた研修会を行う考えも示した。

 衝撃受ける保護者「起こっていけないこと」

 静岡の事件に対し、同じ年代の子どもを持つ保護者が受けた衝撃は大きい。福島愛隣幼稚園に通う子どもがいる福島市の30代女性は「親は普段通りに送り出したはず。大切な子どもが帰ってこないと思うと悲しい」と話し、「親は幼稚園を信頼して子どもを預けている。絶対に起こってはいけないことだ」と怒りを口にした。同じく同園に子どもが通う同市の40代女性は「事件は防げたかもしれない。亡くなった子どもは苦しんだと思う。素直に悲しい」と語った。