塙の強盗殺人、19歳孫に無期懲役求刑 弁護側は不定期刑を主張

 

 塙町で今年2月、菊池ハナ子さん=当時(75)=が殺害され、奪われたキャッシュカードで現金300万円が引き出された事件で、強盗殺人や窃盗などの罪に問われた建築板金業の孫(19)=矢祭町=の裁判員裁判の論告求刑公判は9日、地裁郡山支部(小野寺健太裁判長)で開かれた。検察側は「強い力で執拗(しつよう)に殴っており、被害者の命が奪われた結果は重い」として無期懲役を求刑した。弁護側は懲役15年以下の不定期刑が相当と主張し、結審。判決は15日午後3時から。

 検察側は論告で、孫は、重く硬い鉄パイプで菊池さんの頭を少なくとも15回は殴ったと説明。死亡する危険性も認識していたとし、殺意が認められると主張した。

 その上で、菊池さんに発見され、事件の発覚を免れるとともに現金を確実に手に入れるために殴ったと指摘。「反省や更生の意欲は見えず、再犯の可能性がある」とした。

 一方、弁護側は最終弁論で、菊池さんの遺体の頭の骨が折れていないことや即死ではなかった点から「強烈に殴っていない」と述べた。死亡させる危険性があるという認識はなかったと殺意を否定し、強盗致死罪の成立が相当とした。

 19歳の孫は精神的に未熟だとも述べ、「刑罰よりも社会復帰を前提とした教育上配慮が重視されるべきだ」と、更生可能性を重んじるべきだと主張した。

 起訴状などによると、孫は2月9日深夜から10日未明に菊池さん方に侵入。菊池さんの頭を鉄パイプで殴って殺害し、奪ったキャッシュカードで現金を引き出した、としている。

 「残酷なことをした」

 「無期懲役に処するのが相当」。検察側が論告で無期懲役を求刑した瞬間、孫は視線を手元の資料から正面に移し、真っすぐ検察官を見つめた。

 孫は初公判と同じく、紺色のシャツにカーキ色のチェックのズボン姿で出廷。初公判の時より落ち着いた様子だった。最終弁論で弁護側は「成人と同様の刑を科すという改正少年法の厳罰化(の傾向)に流されないでほしい」と裁判員らに訴えた。裁判員は孫の更生可能性を巡って分かれる検察側、弁護側の双方の意見に耳を傾けた。

 孫は最終陳述で「ばあちゃんには残酷なことをしたと思います。これから自分にできるのは謝罪と被害弁償と服役。自分にできることをこれからやっていこうと思います」と抑揚のない声で述べた。