コメ概算金800~1500円増 福島県22年産、4年ぶり環境改善

 

 全農県本部は9日の運営委員会で、県内各JAがコメ生産者に仮払いする際の基準となる2022年産米の「JA概算金」を決めた。県内全域の主要銘柄で21年産比800~1500円(1等米60キロ当たり)の増額となった。増額は4年ぶりで、新型コロナウイルス禍で崩れた需給バランスの改善状況や、農家の経営を圧迫している生産資材の価格高騰の影響を加味した。

 会津産コシヒカリが最も高く、21年産比1500円増の1万1500円。中通り・浜通り産コシヒカリと会津産ひとめぼれは1100円の増額で、20年産以来2年ぶりに1万円台に回復した。ほかの産地銘柄は増額となったが1万円を割り込んだ。

 21年産はコロナ禍で業務用を中心に需要が低迷し在庫が積み上がった影響などで20年産比2~3割の大幅減となった。今年は外食需要に回復の兆しがみられ、主食用米から飼料用米などへの転作が進んだことで在庫量が減り、コメの需給環境に改善がみられる。

 肥料高騰、経営圧迫も

 一方でロシアのウクライナ侵攻による肥料や農薬、原油価格の高騰で生産コストが大幅に上昇し、農家の経営を圧迫している。JA概算金の設定に当たってはこうした状況を考慮した。

 22年産米のJA概算金を巡っては、隣県も増額傾向で栃木県は全農とちぎがコシヒカリを前年比1500円増の1万500円、新潟県の全農にいがたは一般コシヒカリを1500円増の1万3700円とした。

 県内各JAはJA概算金を基に販売手数料などを反映させ「生産者概算金」を算定する。全農などの試算によると、現行のコメの販売価格水準は生産コストを下回っており、労働費などをまかなえない構造となっている。JA概算金は前年産比で大幅増となったものの、生産者にとって依然厳しい状況は続いている。