廃炉産業、地元参入212件 マッチング支援、県目標大幅上回る

 

 東京電力福島第1原発の廃炉関連産業への地元企業参入を支援する組織「福島廃炉関連産業マッチングサポート事務局」を通じた昨年度末までの契約件数が212件に上ったことが分かった。県は本年度、新たに資格や品質認証を取得する費用の補助制度を設けており、マッチングと併せて県内企業の技術向上を支援することで裾野を広げたい考え。

 県が12日開いた県中小企業振興審議会で示した。事務局は2020年7月に開設され、福島イノベーション・コースト構想推進機構と東電、福島相双復興推進機構の3者が運営する。廃炉には幅広い業種が関わる一方、地元企業の参入が限られていたため、元請けが必要とする技術や地元企業の得意分野を一元的に把握できる仕組みを構築。マッチング支援に加え、企業訪問や関連施設を巡る企業関係者向けのツアーなどを重ね、参入を後押ししてきた。

 こうした取り組みが実を結び、事務局への登録数はことし3月末時点で県内156社に上った。契約件数も20年度末時点の7件から212件に増加、県が21年度末の目標に掲げていた15件も大きく上回った。登録時の取り決めから企業名や契約内容については明らかにしていないが、県によると、製造工程の一部を受注したり、作業着などの物品を納入したりと幅広い業務で地元企業が参入している。

 県は放射線取扱主任者など廃炉関連の資格や「ISO9001」などの品質認証の取得を目指す県内企業を対象にした補助制度を設けている。廃炉技術指導アドバイザーなど専門人材も配置し、企業の技術向上に必要な支援策を講じることで1次、2次の下請け企業から元請け企業(東電から直接受注できる事業者)となる企業を増やしていく。

 また、県商工業振興基本計画(22~30年度)に定めた契約件数の目標が、20年度の7件を基にしていたため、目標を補完する指標の設定も検討しながら地元参入を計画的に進めていく方針だ。