「適切に見張り」起訴内容を一部否認 猪苗代湖ボート事故公判

 

 福島県会津若松市の猪苗代湖で2020年9月、プレジャーボートで巻き込み児童ら3人を死傷させたとして、業務上過失致死傷罪に問われたいわき市、元会社役員佐藤剛被告(45)の第2回公判は15日、福島地裁(三浦隆昭裁判長)で開かれた。弁護側は事故を起こしたことは認めながらも「適切に見張りをしていたが(被害者に)気付くことができなかった」と改めて起訴内容を一部否認した。

 裁判では、佐藤被告が▽現場の湖面に浮かぶ人の存在に気付くことができたか▽適切な見張りなどを行えば事故を回避できたか―が主な争点となっている。

 公判は昨年12月の初公判以来約9カ月ぶりで、検察側が追加の冒頭陳述を行った。検察側は、現場付近の水域の湖面に人がいることを予見できるとした上で、実況見分の結果から佐藤被告が「衝突地点までの間、約60秒にわたり被害者らを目で見て確認することができた」と指摘。新たに、佐藤被告のボートの同乗者と別のボートに乗っていた人の撮影動画などを証拠として提出した。

 弁護側は冒頭陳述で、被害者3人が浮いていたのはボートの航行区域か、航行区域に極めて近くだったと指摘。3人が着用していたライフジャケットが青や灰色などで目につきにくかったことを挙げて「人がいるとは思いもよらなかった」と主張した。また、佐藤被告が周囲のボートの航行状況などにも気を配り「五感を使って適切に見張りをしていたが、見つけられなかった」とした。

 次回公判は10月4日午後1時30分から。

 起訴状によると、佐藤被告は20年9月6日午前11時ごろ、前方の安全確認が不十分なままボートを操縦。ライフジャケットを着て湖面に浮いていた3人を船尾のスクリューに接触させ、千葉県野田市の豊田瑛大(えいた)君=当時(8)=を死亡させ、母親ら2人に重傷を負わせたとしている。