「国際研究機構」浪江・川添地区に決定 民間と協力関係構築へ

 

 政府は16日、首相官邸で復興推進会議を開き、来年4月に設立する福島国際研究教育機構の立地場所について、県が提案した浪江町川添地区にすると決定した。本県復興の中核を担う機構の設立効果を広く波及させるため、県内各地の民間企業や農業関係者らと「パートナーシップ(協力関係)」を結ぶ方針も新たに打ち出した。民間と共同で実証段階から実用化まで研究開発に取り組むことで、県全体の産業競争力を高める。

 パートナーシップの構築に向けた第1弾の取り組みとして、政府は機構が研究テーマとする「スマート農業」や脱炭素社会の実現に向けた新技術開発など分野ごとに、民間企業などが強みとする技術やノウハウを把握する。特定の企業に限らず、幅広い業種や地域団体、住民らが機構の研究内容に関わるための仕組みづくりも検討する。

 政府は現段階で、スマート農業分野では浜通りの農家らの協力を得たい考えで、営農再開に向けた課題などを踏まえて「超省力」をキーワードに、自動で作業する農業用機械の開発などに取り組む方針。新規就農者や高齢者らの負担の低減につながる先端農業の実現を目指す。

 脱炭素社会の実現を目指す研究分野では、植物栽培に関する事業者などと連携し、二酸化炭素(CO2)を大量に吸収する植物や藻類などの生産を進める。

 各分野の研究で得た知見やノウハウは県内での普及を通して新規参入と、将来的な民間主導による技術革新や新産業の創出につなげる。福島発の新技術として全国展開も目指す。

 復興推進会議で、岸田文雄首相は「機構設置の効果が立地地域にとどまらず広域的に波及するよう、市町村をはじめ関係機関と連携して取り組む」と述べた。

 機構はJR浪江駅西側に整備される。政府は県が8月に候補地として提案した際の評価を基に現地調査などを行い、十分な敷地が確保できることや交通アクセスが良好だとして浪江町への立地が最適と判断した。

 略称「エフレイ」

 政府は16日、福島国際研究教育機構の英語名称を「Fukushima Institute(機構) for Research(研究), Education(教育) and Innovation(産業化)」と決定した。略称は「F―REI(エフレイ)」とした。

 英語名称と略称は「世界に冠たる研究拠点」を掲げる機構の国際的な知名度の向上につなげる狙いがある。秋葉賢也復興相は16日の閣議後記者会見で「親しみやすく、機構の狙いがしっかりと伝わる名称が重要との観点で決めた」と述べた。