米ハンフォード事例共有 浜通りトライデック、連携協定を締結

 
米トライデックの関係者と協定書を交わした中村専務理事(左から2人目)=9日、米ワシントン州

 浜通りの高等教育機関や自治体、企業が連携し、復興創生に取り組む一般社団法人「福島浜通りトライデック」は16日、活動のモデルとなる米ワシントン州ハンフォードの民間組織「トライデック」と連携協力協定を締結したと発表した。協定に基づき、放射能汚染から復興を遂げたハンフォードの取り組みを共有した上で、東京電力福島第1原発事故で被害を受けた浜通りの復興を目指し、人材交流や両地域の教育機関による共同研究などを計画する。

 同法人は東日本国際大(いわき市)が中心となり、昨年4月に設立した。同法人に加えて今回、東日大が米トライデックに参画するワシントン州立大トライシティーズ校とコロンビアベイスン短期大と連携協力協定を締結した。同法人の中村隆行専務理事が今月8、9の両日、現地で関係者と協定書を交わした。

 ハンフォードは米軍の核施設「ハンフォード・サイト」が立地し、放射能汚染が深刻だったが、除染を担う企業やエネルギー産業の集積により経済発展を遂げた。米トライデックはまちづくりの過程で関係機関を結び付ける役割を担った。

 同法人と米トライデックの協定は、双方の復興と経済発展を促進するために経験や課題を共有する。来年3月に東日大生ら5人程度をハンフォードに派遣し、人材交流を図る。また来年の夏ごろには協定を結んだ2校の学生を浜通りに招待するほか、浜通りの自治体職員らをハンフォードに派遣する予定。東日大と2校は、将来的に教育や経済分野などでの共同研究を計画しているという。

 中村専務理事は「若い世代へ廃炉や除染のレガシー(遺産)を伝えていく必要がある。(トライデック間で)情報共有しながら伝えることに効果がある」と述べた。