新選組屯所の蔵、修繕費募る 京都「旧前川邸」、昨夏の長雨で損壊

 
旧前川邸の「東の蔵」の修繕費を募っている田野さん=京都市中京区

 幕末の京都で活躍し、会津藩と関係が深い新選組が屯所を置いた京都市・壬生の「旧前川邸」の所有者が今月から、敷地内の「東の蔵」の修繕に向けてクラウドファンディング(CF)を行っている。当時のまま残る「東の蔵」は池田屋事件のきっかけとなる古高俊太郎を尋問した歴史的な建物とされるが、昨夏の長雨で屋根の一部が崩落。応急処理を施したが、修繕費不足が大きな課題となっていた。

 所有者の田野一十士(ひとし)さん(67)によると、豪雨後に東の蔵の被害状況を調べてみると、瓦屋根の土台から修復が必要と分かった。現在は応急処置で対応しているが、一日も早く修繕工事を行いたい考えだ。

 だが、問題は数千万円に上る修繕費。蔵は細かな細工や意匠にこだわって造られており、特に瓦は特注品になるなど修繕費がかさむ。すぐに用意できる手だてはなく、困り果てた。

 「かけがえのない歴史ある建築物を後世に残したい」と田野さん。多額の修繕費をすぐに用意できる手だてはなく、CFをすることになり「どうか皆さまの応援をお願いしたい」と協力を呼びかける。1日から始め、すぐに目標金額の500万円に達したが、近く目標額を再設定する。魅力的な返礼もあり、詳細はCFの特設ホームページで。

 旧前川邸 壬生の郷士・前川家の屋敷で幕末の姿を今に残す。新選組は1863(文久3)年から2年にわたり屯所として使用した。屋敷では幹部隊士の山南敬助らが切腹したほか、東の蔵では池田屋事件のきっかけとなる古高俊太郎の尋問が行われるなど逸話が多い。所有者が変わって現在は製袋工場と個人住宅だが、休日は玄関の土間で新選組グッズの販売を行っている。

220918nk-topic502.jpg旧前川邸の「東の蔵」の内部。幕末の雰囲気が残る貴重な空間といえる