福島県内、台風14号接近に備え 果樹農家、枝の支柱補強ほか急ぐ

 
リンゴの枝に補強の支柱を立てる黒田さん=19日午前、国見町泉田

 台風14号の接近に備え、県内では19日、さまざまな対策を取る動きが見られた。県北地方の果樹園では、収穫前の果樹の落下に備えて支柱を補強する農家の姿も。広い範囲で激しい雨が降るといわれる台風に対し、関係者は対応を急いだ。

 「被害最小限に」

 「今が一番、実と葉が多い時期で、強風の影響を受けやすい」。国見町泉田の果樹農家黒田壌(みのる)さん(38)は、丸く膨らみ、色が付きつつあるリンゴの果実を見つめ、不安を口にする。

 黒田さんがメインで栽培しているのはリンゴの「サンふじ」で、11月中旬ごろから収穫が始まる。現在は収穫を前にした大事な時期。大切に育てたリンゴを守るため、細心の注意を払う。

 この日は午前中から「台風対策」としてリンゴの枝折れや実の落下防止のために枝への支柱を補強したほか、枝を軽くするための摘果を行った。

 黒田さんは「実の落下も心配だが、枝が折れてしまうと来年の収穫にも影響が出てしまう。何とか最小限の被害でとどめたい」と話した。

 「壊れると困る」

 漁業関係者も漁船を守る備えを進めた。

 「大きい台風だっていうから」。いわき市の底引き網漁船「第3政丸」船長の志賀金三郎さん(75)はこの日朝から、小名浜港に泊めた第3政丸を何度か見に行った。念入りに確認したかったのは、2日前に施した台風対策。通常の倍の数のロープで港の岸壁に固定されていることや、ロープの結び目が固く縛られていることを自身の目で確認した。「船が壊れると困るからね。明日(20日)は休み。天気次第だけど、漁は21日からかな」

 いわき市内では日中強い雨が降り、一時土砂災害警戒情報が出されたほか、同市錦町大島の県道が冠水のため通行止めになった。小名浜港では夕方、黒い雲が空を覆い、風雨が強まった。それもあり、志賀さんは乗組員らと共に小名浜港で船の様子を夜通しで見守る。

 ただ、悪いことばかりではない。志賀さんによると、台風の後は水温が変化したり、潮が混ざったりすることから、漁場に出る魚の種類が変わるという。最近は主にメヒカリやユメカサゴなどを釣っているが「どんな魚が釣れるかは想像もつかない。だから台風の後は勝負だし、楽しみでもある」と話した。

 県立学校43校休校

 県内各地の小中学校や高校などは20日、休校や登校時間の繰り下げなどの対応を取る。

 県によると19日午後7時現在で、県立学校43校が休校を決めた。休校となるのは高校35校、中学校2校、特別支援学校6校。安積高は午後からの登校となる。

 そのほか福島、会津若松、郡山、いわき各市などは、市立小中学校などの休校を決定。本宮市は市内の幼稚園と小中学校の登校時間を午前10時に繰り下げる。

 鉄道通常通り運行

 県内を走るJR全線や福島交通飯坂線、阿武隈急行は20日始発から、通常通り運行する。

 ただ、いずれも天候の状況によっては、運転計画が変更する可能性があるとしている。