原発事故の7日間描くドラマ ネットフリックス、23年世界配信へ

 
水素爆発などで破損した東京電力福島第1原発の原子炉建屋=2012年5月

 世界最大級の動画配信サービス「ネットフリックス」が来年、2011年の東京電力福島第1原発事故を題材にした全8話のオリジナルドラマ「THE DAYS」を全世界同時配信する。原発事故後の緊迫した7日間を政府、会社組織、現場で命を懸ける者たちの三つの視点で重層的に描く。

 主演は俳優の役所広司さん(66)が務め、当時の福島第1原発所長の故吉田昌郎さんがモデルの役を演じる。作品は、作家の門田隆将さんの「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」が原案。撮影は昨年6月から10月にかけて行われた。

 役所さんは役どころについて「極限状況下でも信念を持って指揮を執るリーダーだが、英雄として描かれるわけではない」と前置きし、「原子炉が落ち着いた後も続く、事故に対する彼の終わりなき問いにこそ、本作の意義がある」とした。

 ドラマ「コード・ブルー」シリーズなどを手がけ、プロデューサーを務める増本淳さんは「死の淵に立たざるを得なかった人々が味わった恐怖と不条理をでき得る限り事実に忠実に伝える。今もなお終わりの見えないこの事故の存在を、世界の人々に忘れずにいてもらいたいという願いから制作に至った」と意図を説明する。

 監督はコード・ブルーシリーズの演出を担当した西浦正記さんと、映画「リング」などで知られる中田秀夫さんが務める。西浦さんは「地をはう者の目線にこだわり、被災した人々の恐怖を少しでも自分のものとして感じてもらえるようにした」と話し、中田さんは「尋常ではない不安や恐怖を抱えつつ、職務を続けた彼らの内面に肉薄したいと常に考えた」と苦労を明かした。

 ネットフリックスは有料メンバーが利用するエンターテインメントに特化した世界最大級の動画配信サービス。幅広いジャンルの長編映画などを配信している。

 役所広司さんコメント全文 最初は題材が題材なだけに「これをエンターテインメントにしていいのか?」という気持ちがありましたが、プロデューサーの話をお聞きして意義を感じ、出演を決めました。私が演じた役は、チェルノブイリでさえ経験しなかった全電源喪失といった極限状況下でも信念を持って指揮を執るリーダーですが、英雄として描かれるわけではありません。原子炉が落ち着いた後も続く、事故に対する彼の終わりなき問い、そこにこそ本作の意義があるのだと思います。