復興庁報告書「強制力なし」 風評対策、広報見直し各省庁判断

 

 復興庁は19日、東京電力福島第1原発事故の風評被害対策を検討する有識者会議の提案を踏まえ、来年1月にも政府側の効果的な情報発信手法をまとめる報告書について「強制力はない」との認識を示した。報告書は政府内で共有する一方、広報の在り方を見直すかどうかは各省庁の判断に委ねる方針で、復興の司令塔としての主導力が問われそうだ。

 有識者会議に関する記者説明会で、会議の運営を担当する復興庁幹部が明らかにした。秋葉賢也復興相を議長に広報やメディア研究の専門家ら9人で構成する有識者会議の性質について、幹部は「大臣主催の勉強会」との見解を示した。その上で、報告書の効力に関し「強制力は当然ない。国の公式の会議や審議会であれば(結論に基づく)提言などは一定の拘束力があるが、そうした類いのものではない」と述べた。

 報告書を踏まえた復興庁の広報の在り方については「風評払拭に向けた復興庁の役割は大きく、報告書の内容を改善に生かす」と強調したが、他省庁の対応については「それぞれの施策があるので、(有識者の提案で)効果的なものがあれば各省庁の判断で取り込んでもらう」とした。

 秋葉氏は今月3日の有識者会議の設立に際し、現状の政府の広報の在り方を踏まえ「(8月に)復興相に就任して以来、国民に分かりやすく効果的に伝えるための情報発信が大事との強い問題意識を持っている」と改善に意欲を示していた。

 一方で、政府内からは「秋葉氏の強い意向により急ピッチで設立されたと聞いているが、会議の目指す方向性や運営方針を巡り、事務方との温度差を感じる」との声も漏れる。

 有識者会議は今月3日に始まり、17日に第2回会合が報道陣に非公開で開かれた。有識者からは情報の受け手の共感が得られる情報発信などを求める提案があったという。復興庁は年内に複数回会合を開き、有識者の提案を報告書に反映させる。