「戦争の記憶」継承誓う 大熊で12年ぶり戦没者追悼式・慰霊祭

 
慰霊祭で祭文を読み上げる沢原会長

 大熊町と町遺族会は19日、町内で12年ぶりに双葉郡合同の戦没者追悼式・慰霊祭を開いた。東京電力福島第1原発事故で住民が避難し、戦争の記憶の風化が課題となる中、関係者は戦争の悲惨さや平和の大切さを訴え、戦没者の冥福を祈った。

 町は2019年4月に一部地域で避難指示が解除されたが、式典を実施できる会場がなく、開催を見送っていた。昨年、大川原地区に交流施設「linkる大熊(リンクる大熊)」が開設されたことから、町内で開催することにした。追悼式は双葉地方町村会の共催、慰霊祭は双葉郡遺族会の共催で実施した。

 関係者約60人が出席した。追悼式では吉田淳町長が「われわれが安心して生活できているのは尊い犠牲の上にあることを肝に銘じ、平和で明るい町をつくり上げていく」と式辞した。慰霊祭では、父親をシベリア抑留で亡くした町遺族会の沢原善男会長(80)が「恒久平和の実現に向けて戦争の悲惨さと平和の尊さを継承し、遺族会活動を行っていく」と述べた。