国道121号大峠道路、待望の通行再開 「もとの生活に戻れる」

 
片側交互通行で再開通した国道121号大峠道路の八谷トンネル付近。斜面崩落現場に設けられた仮設道路を多くの車が通行している=24日午前9時25分、山形県米沢市(ドローン撮影)

 8月上旬の記録的大雨で被災し通行止めになっていた喜多方市と山形県米沢市を結ぶ国道121号大峠道路が24日、片側交互通行で再開通した。約3カ月間にわたった通行止め期間中、大幅な迂回(うかい)を余儀なくされてきた利用者。通学、通勤、観光などを支える重要幹線道路が息を吹き返し、安堵(あんど)の言葉を口にした。

 まだ辺りも暗い24日午前5時半ごろ、喜多方市の県大峠・日中総合管理事務所前ゲートには、再開通を待つ大型トラックや乗用車などが列を作っていた。先頭に並んだ磐梯町の会社員加藤憲市さん(42)は「通行止め期間は高速道路で(山形県の)現場に行っていたが、夜間通行止めや利用料がかかるなど大変だった。国道121号のありがたみを感じた」と喜んだ。午前6時にゲートが開くと、先導のパトロール車に続き10台以上の車が山形県方面に走って行った。

 通学にも大きな影響があった。山形県米沢市の米沢中央高に通う喜多方市の渡部優さん(18)は学校が用意するバスで通学しているが、国道121号が使えなかったため、福島市経由で通学していた。約1時間だった通学時間は倍に増え、睡眠時間も削られた。渡部さんは「大学への入学願書提出など忙しくなる時期なので、睡眠は大事。再開通で元の生活に戻れる」とうれしそうに話した。

 紅葉などの行楽シーズンを控え、観光関係者はほっと胸をなで下ろす。この日の昼頃、喜多方市の道の駅喜多の郷は、駐車場が満車になった。久しぶりのにぎわいに同道の駅を管理、運営する同市ふるさと振興専務の大塚哲弥さん(61)は「やっと日常が返ってきたと感じた」と笑顔を見せた。

 レストランと売店を合わせた8、9月の月ごとの売り上げは、直近3年の月平均の2~4割減に落ち込んだ。

 大塚さんは「夏休みの繁忙期は、大峠道路の通行止めで厳しい状況だった。なんとか紅葉シーズンに間に合ったので、私たちも再開通を発信しながら集客につなげたい」と意気込んだ。

 次は本復旧 住民、冬に危機感

 地域住民が次に待つのは本復旧だ。会津の冬は雪深く、冬場の運転は通常より気力や体力を消費する。片側交互通行による再開通を喜ぶ一方、目の前に迫る冬に危機を感じる声もある。喜多方市の会社員男性(44)は「早期の再開通はうれしいが、気になるのは本復旧だ。会津や山形は冬の雪が多い。片側交互通行で急な吹雪や突風で前が見えず道路からはみ出たらと思うと怖い」と危惧する。山形県は本復旧に向け、地質調査や工事の手法などの検討を進めている。

 大峠道路については、大雨で被災した3カ所と補修工事を行っている1カ所が片側交互通行になっており、待ち時間が最大約10分間発生する。