復興策「災害前に想定」 震災から10年検証、有識者会議初会合

 

 復興庁は24日、東日本大震災から10年間の復興政策を検証する有識者会議の初会合を開き、震災の教訓を南海トラフ巨大地震など今後の大規模な災害に生かすための議論が始まった。有識者は、災害前にあらかじめ被災後の対応や再建の方向性を定める「事前復興」を論点の柱として重視した。

 有識者会議は、災害や危機管理分野の専門家ら6人で構成。本県など被災地の復興に関わった国土計画協会の大西隆会長は、震災後のインフラ整備や区画整理など大規模復旧・復興事業について「人口が減る中で事業が過大ではなかったかどうかを整理する必要がある。今後の社会生活を維持する上で財政負担を心配する議論が出てくる」と指摘。ふくしま12市町村移住支援センター(富岡町)の藤沢烈センター長も「今後はどの地域でも人口が減っていく。災害が起きた場合にどの程度まで復興するかを事前に検討することが必要だ」と述べた。

 津波被害のあった地域の防災体制強化に向けた取り組みの検証を求める声も上がった。大西会長は、政府が昨年12月に公表した日本海溝・千島海溝沿いで巨大地震が起きた際の被害想定に触れ「震災後に防潮堤を整備し対策が講じられたが、それでも相当多くの死者が出るとの想定をどう考えるのか議論するべきだ」と強調した。

 復興庁は有識者の意見や提言を踏まえ、年度内に震災の教訓をまとめた記録誌を作成する方針。