大熊でバイオ燃料研究 トヨタなど6社が施設整備へ、24年操業

 
協定書を取り交わした吉田町長と中田理事長(右)

 トヨタ自動車やENEOS(エネオス)など6社でつくる「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」は、東京電力福島第1原発が立地する大熊町に進出し、主に植物を原料とした自動車用のバイオエタノール燃料製造などの研究施設を整備する。25日、町と立地協定を結んだ。2024年10月の操業開始を目指す。

 進出先は町が大川原地区に整備を進めている大熊西工業団地で、東日本大震災後、町内の工業・産業団地への立地が決まった第1号となった。町は組合と連携し、50年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル(CN)の実現につなげたい考えだ。

 組合によると、研究施設は自動車に応用できる低炭素化技術の研究、実証を担う。バイオエタノール燃料の製造技術の研究を進めるほか、生産過程で出る二酸化炭素(CO2)の有効活用法を探る。敷地面積は約5万6千平方メートルで来年6月に着工、40人の新規雇用を予定する。投資額は約50億円で、経済産業省の自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金を活用する。

 組合はトヨタ自動車とエネオスのほか、スズキ、SUBARU(スバル)、ダイハツ工業、豊田通商の6社でつくる。今年7月に発足し、町内の起業支援拠点「大熊インキュベーションセンター」に入居した。

 原発事故の教訓から原発や化石燃料に頼らず、地域の再生可能エネルギーを活用した持続可能なまちづくりを掲げる町に賛同し、環境に優しい次世代燃料の研究と、復興に寄与しようと町内への立地を決めた。

 町役場で行われた締結式で吉田淳町長と組合の中田浩一理事長(トヨタ自動車CN開発部長)が協定書を取り交わした。吉田町長は「組合と連携して大熊の未来を共に築いていきたい」と語り、中田理事長は「CNの実現には多様なエネルギーの選択肢を提供することが重要だ。交流人口拡大など復興にも貢献したい」と述べた。