侍ブルー・西シェフ、最後のW杯 引退の意向、選手支えて15年超

 
「チームが8強以上に進めるよう一緒に戦いたい」と話す西さん

 11月に開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会に日本代表専属シェフとして同行する福島県広野町の西芳照さん(60)は27日までに福島民友新聞の取材に応じ、今大会を最後に男子代表のシェフを引退する意向であることを明らかにした。女子代表や五輪代表、クラブチームの国際大会などへの同行は続けるといい、西さんは「自分の店もあるので、60歳で一つの節目にしたい。若い人に継いでもらった方が良いとも思っている」と語った。

 Jヴィレッジの総料理長を務めていた2006(平成18)年、「ジーコジャパン」の専属シェフとして初めてドイツ大会に同行した。今大会で5大会連続となる。

 現地ではチームが宿泊するホテルのシェフとともに、代表選手が実力を発揮できるよう、栄養バランスなど考えた毎日3食の食事を準備してきた。

 西さんが最も思い出に残っているという大会は、日本が2大会ぶりに16強入りした10年の南アフリカ大会だ。代表選手だった闘莉王さんや阿部勇樹さんなどから「大変な思いをして作ってくれてありがとうございました」「西さんのご飯のおかげで勝てました」などと感謝の言葉をかけられたといい、「勝つために作っているからね。やっぱりうれしいよね」と振り返る。

 近年は、選手の食事に対する意識の変化を感じている。「長友(佑都)さんであったり、川島(永嗣)さんであったり...。若い海外組の選手もパプリカやビーツ、ケールなど、日本では珍しい栄養価の高い食材を普通に食べていて、栄養学にも詳しかったりもする」。そのため、選手からも食事の工夫を教わり、自身の献立に取り入れることを心がけてきたという。

 代表の専属シェフとして最後となる大会を前に「あっという間に5回目(の大会)になっちゃった」と苦笑いする西さん。目前に迫るカタール大会に向け「今まで後悔を残さないように取り組んでいた。今回もいつも通り気合を入れてやるべきことをやる。(チームが目標とする)8強以上に進めるよう一緒に戦いたい」と意気込む。

 開催地のカタールはイスラム圏ということもあり豚肉の持ち込みはできないが、「ウナギや牛、鶏のレバーを使って、豚肉に含まれるビタミンなどを補いたい。(今までも)こういうことはよくあった。問題なく選手をサポートできると思う」。そう自信をのぞかせた。