トラフグの謎挑む 福島大や京大など、急増の相双沖...生態解明へ

 
トラフグに行動記録装置などを取り付ける和田准教授=27日、相馬市・県水産資源研究所

 福島大は、相双沖で水揚げが急増しているトラフグの生態調査に乗り出す。謎が多い相双沖のトラフグの生息域などを解明することで適切な資源管理に役立て、安定した水揚げ確保につなげる。27日には行動記録装置を取り付けたトラフグを相馬市の松川浦漁港から海に放流した。

 調査は福島大環境放射能研究所で海産魚類の生態学などを研究している和田敏裕准教授が中心となり、県水産資源研究所(相馬市)、京都大と共同で実施する。

 トラフグの水揚げ急増を巡っては、要因に海水温の上昇を指摘する声などがあるが、詳しいことは分かっていない。和田准教授によると、本県沖でトラフグの産卵場所は確認されておらず、大量に水揚げされるトラフグがどこから来るのか判明していない。さらに海水温が低くなるとトラフグの水揚げは急減するが、どこに移動したのかも分かっていない。「どこから来て、どこに姿を消すのか、正直分からないことだらけ」と首をかしげる。

 調査では、長さ26ミリ、直径8.6ミリの円筒形の行動記録装置や、目印となる標識を付けたトラフグを海に放流する。装置には電話番号などが記されており、水揚げした漁師が連絡を寄せれば、トラフグを回収できる。装置には1分置きに水深や海水温のデータが記録される。解析することで、トラフグが行動した場所や時間を特定できるという。

 27日は、装置を付けた10匹を放した。今後、さらに放流数を増やす予定だ。

 和田准教授は「1匹でも回収できれば、膨大なデータが得られ、生態特性が推定できる。それを生かせば、うまく取りながら、資源を守る方法を見つけることにつながる」と話している。相馬双葉漁協(相馬市)のフグはえ縄漁に関する操業委員会の石橋正浩委員長は「水産資源は無尽蔵ではない。ある程度の生態が分かってくれば、漁業者としても、魚の動きに合わせた資源保護の対策が立てやすくなる」と調査を歓迎している。