郡山2位、会津3位、安積黎明は銀賞 全日本合唱・高校部門

 
(上から)Bグループで全国2位に輝いた郡山、Bグループで全国3位となった会津、Aグループで銀賞に輝いた安積黎明

 第75回全日本合唱コンクール全国大会中学校・高校部門が29日、青森市の「リンクステーションホール青森」で開幕した。初日は高校部門が行われ、Bグループ(33人以上)に出場した郡山が全国2位に当たる知事賞、会津が全国3位に相当する県教育長賞に輝いた。

 Bグループでの4大会連続となる県勢1、2位独占は逃したが、県勢2校が上位に入り「合唱王国ふくしま」の名に恥じぬ演奏を披露した。Aグループ(6人以上32人以下)の安積黎明は銀賞だった。

 新型コロナウイルスの影響で中止となった2020年の大会を除くと郡山の全国2位は3度目、金賞は4大会連続8度目となった。会津の全国3位は3度目、金賞は11大会連続15度目。

 日本一に相当する文部科学大臣賞はAグループが佐賀女短大付佐賀女(佐賀県)、Bグループは不来方(岩手県)だった。

 コンクールは全日本合唱連盟などの主催。A、B両グループに28団体が出場した。30日は中学校部門が行われ、県勢は混声合唱の部に郡山一、同声合唱の部に郡山二、郡山七が出場する。

 郡山 言葉の「音色」こだわる

 知事賞が告げられると、郡山の生徒らは手を取り合い、安堵(あんど)の表情を浮かべた。佐藤美憂(みゅう)部長(3年)は「全国大会のステージに立てただけでも幸せなのに金賞と知事賞もいただけて、みんなの頑張りが報われた」と喜びを口にした。

 自由曲は「混声合唱のための『地球へのバラード』」より「Ⅱ沈黙の名」(作詞谷川俊太郎、作曲三善晃)。「名付けられぬものの名への内なる叫び」を表現した難曲で、部員らは歌詞を読み込むなどして「言葉から生まれる音色」にこだわってきた。本番も夏の太陽の光やセミの鳴き声など、情感豊かに表現した。

 3年生はコロナ禍に苦しんだ高校生活だった。佐藤さんは「郡高の歌声に憧れて入部したが、思うように活動できなかった。それでも3年間すてきな思い出がつくれた。合唱部に入って良かった」と最後の大舞台で笑顔をはじけさせた。

 指揮を執った佐藤朋子顧問は涙を浮かべながら、教え子たちをこうたたえた。「(4連覇への)重圧は感じていたと思う。それでも自分たちの音楽を作ろうと励んできたことが温かい歌声に表れた。最後に最高のプレゼントをもらえて幸せです」

 会津 ロマン派挑戦、妥協せず追求

 審査結果を聞いた会津の生徒たちには笑顔があふれた。「練習してきたことをみんなで表現できた。悔いはない」。宮森結川(ゆいか)部長(3年)は全国3位という結果に胸を張った。

 自由曲は、スウェーデン出身のヴィルヘルム・ステーンハンマルが作曲した小品曲の3曲に挑んだ。デンマーク語やスウェーデン語を駆使し、秋の夕暮れを吹き抜ける風の寂しさや、後宮の庭園から見える甘美な風景といったロマンチシズムを歌い上げた。

 大竹隆顧問は「高校生には挑戦ともいえるロマン派の作品。生徒の新たな魅力を引き出すことを目指した」という。合唱の調和を高め、北欧の世界観を生徒が納得いくまで追求した。

 11大会連続15度目の金賞という有終を飾り、3年生は引退を迎える。宮森部長は「来年、再来年とそれぞれの高みを目指してほしい」と後輩たちに託した。

 安積黎明 仲間と「幸せな時間」

 46度目の出場となった安積黎明。「賞以上の価値がある幸せな時間だった」。青木梨紗部長(3年)は、21人の女性合唱で臨んだ全国の舞台を笑顔で振り返った。

 自由曲は、恋愛の苦しみをつづった詩人中原中也の詩に曲を付けた「私の聖母(サンタマリア)!」。女性への憧れや絶望を表現した難解な曲だが「中也が目にした景色を追求する」との思いを部員で共有。詩集を読み込み、演奏のイメージを膨らませた。

 「課題と向き合い、壁を乗り越えて歌い上げた。指揮者を務めることができて幸せ」。星英一顧問は生徒たちの努力に拍手を惜しまなかった。