福祉に功績、瓜生岩子賞 八幡さん、二本松朗読サークルが受賞

 
社会福祉法人つどい業務執行理事の八幡嘉晃さん(写真上)と二本松朗読サークル「ひばり」

 社会福祉に功績のあった県民を顕彰する第30回瓜生岩子賞の受賞者が発表され、社会福祉法人つどい業務執行理事の八幡嘉晃(よしあき)さん(79)=福島市=と二本松市の二本松朗読サークル「ひばり」が選ばれた。表彰式は11日、二本松市民会館で開かれる県社会福祉大会の席上で行われる。

 八幡さんは知的障害者の福祉向上に現場で尽力している。1967(昭和42)年に石川町の桜が丘学園に就職したのを振り出しに、複数の障害者支援施設に勤務。この間、県内の施設の連携強化にも取り組んだほか、講師として施設職員や高校生を指導し、将来を担う人材育成に貢献した。

 二本松朗読サークル「ひばり」は97年から、二本松市の広報紙を音訳し、CDに吹き込んで視覚障害のある利用者に配っている。新聞やコラム欄の音訳、会員の声の便りを届ける「オリジナルテープ」の製作などニーズに沿った活動を展開。利用者との親睦を図る交流会も毎年開催している。

 この賞は幕末から明治時代にかけて活躍した社会福祉事業の先覚者で「日本のナイチンゲール」と呼ばれる小田付村(現喜多方市)出身の瓜生岩子の遺徳をしのび、偉業を後世に伝えるための顕彰。岩子が開設した鳳鳴会育児部(現福島愛育園)の100周年を記念し、県社会福祉協議会が1993年に創設した。

 障害者施設の連携強化、人材育成も尽力

 八幡嘉晃さんの話 障害のある人が暮らしやすい社会にするため仕事を続けてきた。最初は「支援する」という感覚だったが、簡単なことではないと気付かされた。一人一人の気持ちはすぐにくみ取れない。信頼関係を築くには、まず自分が相手を信頼することが大切だと学んだ。知的障害者には、絵を描いたり、何かを作ったりするのに熱中する人が多い。無欲で真っ正面から向き合う姿を見て、人間いかに生きるべきか教わった。今後もより良いサービスの提供や人材の育成を通じて、私を育ててくれた障害者福祉に恩返しをしたい。

 市広報紙の音訳CD、視覚障害者に配布

 松田知子代表の話 点字を読めない視覚障害者に情報を届けるために結成された。利用者から「ありがとう」と言われると励みになる。でも、音訳した情報は市民なら受け取って当然のもの。皆さんには当たり前に利用してほしいと思う。そのためには朗読の力を高めないといけない。月に2回、15人の会員が集まり音読の練習を重ねている。私たちのような団体は各地にあるが、地道な活動なのであまり知られていない。受賞が音訳活動を広く知ってもらうきっかけとなり、利用してくれる視覚障害者の人が増えたらいい。