クジラ化石、新属新種だった いわき、1600万年前の地層で発見

 
新属新種ということが分かったクジラの化石の頭部。斜線部は欠けている部分の形状を復元、加工している

 フタバスズキリュウの発見者である元いわき市教育文化事業団主任研究員の鈴木直さん(71)ら研究者3人のグループは2日までに、福島県いわき市にある約1600万年前(前期中新世)の地層で発見されたクジラの化石を調査した結果、新属新種の化石だったと発表した。現在のナガスクジラやコククジラなど、クジラの進化を考える上で重要な発見としている。

 研究結果は、10月1日に古生物学会誌の電子版で発表された。現在のナガスクジラなどを生み出した原始的なヒゲクジラに分類される。新種とされる哺乳類化石では県内最古で、県産のクジラ類では初めての新属新種という。

 化石は1995(平成7)年9月にいわき市中央台高久の道路建設工事で発見され、頭部から前方腰部までの骨格を発掘。鈴木さんが群馬県立自然史博物館の木村敏之生物研究係長、長谷川善和名誉館長と共同で研究してきた。尾骨が細長く長方形であるなど、頭の骨などに独特の特徴の組み合わせが見られることなどが決め手となり、新属新種と判明した。

 発掘場所の地域名などから学名は「ジョウバンセタス パシフィカス」と名付けられた。頭部は約1.5メートルで若い個体と推定されているという。現在はいわき市石炭化石館に保存されているが、市教育文化事業団は「今後は一般公開も検討していきたい」としている。

 鈴木さんは「県内で新属新種の化石が見つかるのはほとんどないこと。学術的にも貴重だ」と述べた。