共感得る情報発信を 有識者が風評払拭へ意見、復興庁が会合公開

 
報道陣に公開された第3回会合

 復興庁は2日、東京都内で原発事故の風評被害対策を検討する有識者会議の第3回会合を報道陣に公開して行った。有識者からは風評払拭に向けた政府側の情報発信の在り方について「福島の復興を自分の問題として考えてもらうことが重要」と指摘し、情報の受け手の共感を得るための工夫などを求める意見が上がった。

 有識者会議メンバーで東海大広報メディア学科の河井孝仁教授と、東大大学院の開沼博准教授(いわき市出身)が意見を発表した。

 河井氏は、福島の復興や課題を「自分の問題」と意識してもらうための取り組みを提案し、まずは情報を伝えたい対象者が信頼しているメディア(情報媒体)やコンテンツ(情報の内容)を分析する作業が必要だと強調した。飲食や旅行など情報の受け手の関心がある分野は異なるため「それぞれで関心を引き寄せる方法も異なる」と指摘し、緻密な広報戦略に取り組むよう促した。

 開沼氏は「(情報発信)量より質を高める取り組みが重要」との認識を示した。原発事故から11年以上にわたる風評払拭に向けた政府側の情報発信について「(交流サイトなどで影響力を持つ)インフルエンサーを活用するなど今時の取り組みも進めており、風評・風化対策が足りないわけではない」とした。一方で「風評はまだある。広報の目的と結果のずれがあるかどうか吟味が必要だ」と主張した。

 秋葉賢也復興相は会合後、「アイデアを踏まえ、より伝わる手法を追求したい」と述べた。

 有識者会議は年内に複数回開かれる予定で、いずれも報道陣に公開される。秋葉氏は10月3日の初会合を除き非公開とする考えを示していたが、報道陣の要請などを踏まえ公開する方針に転じた。復興庁は来年1月をめどに、有識者の提案を踏まえて政府の効果的な情報発信手法を報告書にまとめる。