「大熊キウイ」おかえり 直売所1日限定復活、古里の味を求め列

 
千葉で栽培した「大熊のキウイ」を販売する元樹さん(左)=大熊町下野上

 福島県大熊町の果樹農園「フルーツガーデン関本」は3日、東京電力福島第1原発事故で休止していた町内の直売所を1日限定で復活させ、避難先の千葉県香取市の農園で栽培したキウイを販売した。「大熊の味が帰ってきた」。直売所には避難先から駆け付けた多くの町民らが長蛇の列をつくり、古里の味を懐かしんだ。

 フルーツガーデン関本は大熊町で100年以上続いた果樹農園で、ナシやキウイなどを生産していた。原発事故で避難を余儀なくされ、4代目の関本信行さん=享年(55)=が香取市で事業を再開。現在は亡くなった父の遺志を継いだ5代目の長男元樹さん(22)が、3代目だった祖父の好一さん(87)の手ほどきを受け、果樹栽培に取り組む。

 直売所では、元樹さんが名付けた「ゴール・ド・おおくま」など食べ頃に熟したキウイ5品種が計400キロ販売された。町民ら約300人が足を運び、約3時間で完売した。

 大熊町出身で避難先の郡山市から訪れた先崎まき子さん(60)は「12年ぶりの大熊のキウイ、この味を待っていた。友人たちにも配りたい」と話した。

 好一さんは「こんなに多くの人が集まってくれて、最高にうれしい」と感無量だった。元樹さんは「皆さんに『おかえり』という言葉をもらった。この応援を力に、今後もおいしいキウイとナシ作りに一層励みたい」と語った。