若手語り部 交流のきっかけに、長崎平和推進協理事長ら伝承館訪問

 
伝承館の若手語り部と意見交換し、長崎とのさらなる交流を呼びかけた調理事長(左から2人目)

 長崎市で原爆投下を巡る語り部活動や資料収集に取り組む「長崎平和推進協会」の調漸(しらべ・すすむ)理事長は3日、双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館を訪れ、同館の若手の語り部と意見交換した。調理事長は「長崎では広島や沖縄と連携して若手の語り部育成などに力を入れている。福島もその輪に入ってほしい」と述べ、長崎と福島の伝承活動面での関係を強化したい考えを伝えた。

 長崎では被爆者の経験を伝えることで核兵器廃絶や平和の大切さを国内外に訴えてきた。近年は被爆者が高齢化し、体験を聞き取って語り継ぐ次世代の語り部育成が課題になっている。

 今回の訪問は、震災による避難などを自ら経験した若手の語り部がどのような思いで活動しているのかを聞き、長崎での育成活動に反映させようと企画した。

 伝承館側からは、語り部を務める職員の横山和佳奈さんと渡辺舞乃さん、遠藤美来さんが出席した。3人は「震災を知らない人にどのように伝えるか工夫している」「次の災害に備えてもらえるよう、震災を『自分ごと』と考えてほしい」などと思いを語った。一方で「当時は子どもだったので『国や県が何をしていたのか』と聞かれると答えられない部分がある」とも話した。

 調理事長と同行した長崎の語り部は「語り部講座では、まず最初に長崎で何が起こったのか概要を説明する。そうしないと被爆者の体験が、ただかわいそうな話に聞こえてしまう。過去に起きた出来事を、現実感をもって聞いてもらう必要がある」と助言した。

 交流の具体的な手法として、原爆が投下された8月9日を軸に行われる長崎での行事への伝承館語り部の招待などが考えられるという。長崎平和推進協会が取り組んでいる若手派遣事業の福島での実施なども検討される。調理事長は「交流は伝える力を互いに高めていく上で重要だ」と訴えた。