「母から子への手紙」平田さん大賞 福島県内は小川さん優秀賞

 

 猪苗代町や猪苗代郵便局、野口英世記念会などで組織する同町絆づくり実行委員会は4日、第21回「母から子への手紙コンテスト」の審査結果を発表した。大賞に平田みさ子さん(52)=大阪府=が輝いた。準大賞に吉田義子さん(84)=北海道、日本郵便賞には門田通子さん(96)=愛媛県=が選ばれた。県内からは小川美香子さん(30)=白河市=が優秀賞を受賞、3人が佳作に入選した。

 全国から1367点の応募があった。10月15、16の両日の1次選考で町内の母親33人が審査した。

 最終選考は3、4の両日に行われ、芥川賞作家の玄侑宗久さん、会津美里町のエッセイスト大石邦子さん、講談師の末利光さん、1次選考委員代表の楠美枝子さんが審査し、大賞、準大賞、日本郵便賞の各1点と優秀賞7点、佳作40点を選んだ。

 玄侑さんは大賞に選ばれた平田さんの作品について「暗く心細い夕方の光景が最後の段落で見事に逆転している」と評した。表彰式は12月4日午前10時から、猪苗代町体験交流館学びいなで行われる。玄侑さんの講演会も開かれる。

 県内の受賞者次の通り。優秀賞=小川美香子(白河市)▽佳作=竹之下道子(福島市)桂田友子(須賀川市)鎌田明愛(南相馬市)

 【大賞作品】(原文のまま)

 「夕方泣き」元気くれた歌声

 あなたが生後五、六ヶ月の頃、夕方になると、急に泣いて、抱いても泣きやまない事があった事を思い出します。あやしても泣き止んでくれません。団地の五階に住んでいたので階段を降りて下まで行きました。あなたの声が響きます。泣き止んで欲しいという気持ちで一杯でした。私も泣きたくなりました。

 でも、あなたの泣き声は、決して疲れるだけではありませんでした。団地の一階の方が扉を開けて声を掛けて下さり、子育ての悩み等、話しをするようになりました。あなたをベビーカーに乗せて、夕方の散歩に行く事もありました。パン屋に入った時、従業員の方が、あなたに動物型のパンをプレゼントして下さいました。心が温まるパンでした。

 「夕方泣き」から二十年以上が過ぎ、あなたは、歌う事が好きな子に成長しました。今から考えると、夕方泣いていたのは、歌っていたのかもしれません。あなたが産まれてきて体験出来た事を、大切に感じています。