大野病院後継の医療機関、国際研究機構と連携へ 福島県整備方針

 

 東京電力福島第1原発事故に伴い休止中の県立大野病院(大熊町)の後継病院について、福島県は4日、双葉郡の中核的病院とするために「地域に密着し、連携の核となる病院」「地域の発展に貢献し、医療従事者に魅力ある病院」の2点を柱に整備する方針を示した。関係機関と連携した上で救急、入院医療など切れ目のない医療提供体制を構築し住民の安心を担保するほか、福島国際研究教育機構との将来的な連携を視野に双葉郡復興への貢献を目指す。

 地域医療つなぐ核、体制構築

 4日、福島市で開かれた後継医療機関の在り方を検討する会議で、県病院局が示した。二つの柱に付随して新病院に整備を検討する主な機能は【表】の通り。

 「地域に密着し、連携の核となる病院」としての機能については、双葉郡などの関係機関同士のつなぎ役となり、子どもから高齢者まで地域ニーズに応えられ、救急や外来、入院医療や予防から在宅まで切れ目のない医療提供体制を構築する。専門医療機関と連携した遠隔診療などを行うため、情報通信技術(ICT)を活用した「スマートホスピタル」としての役割も組み込んだ。

 「地域の発展に貢献し、医療従事者に魅力ある病院」としては放射線科学など、福島国際研究教育機構が進める研究のうち、関連性のある分野での協働を想定する。研究環境を充実させ、医療人材の確保につなげるほか、特色ある教育と人材育成による専攻医や実習生の受け入れを進め、医療従事者にとって魅力のある病院にしていく。

 病院局は今後、診療科目や病床数など具体化に向けた議論を進める。会議では、双葉地方町村会長の遠藤智広野町長が「住民帰還後の在宅医療は重要。精神病を患う住民もおり、診療科目を精査してもらうことが大事だ」と求めた。双葉地方町村議会議長会長の吉田義則葛尾村議会議長は、郡内に人工透析治療を受けている患者も数多くいると指摘した。

 施設再利用か移転検討

 会議では県立大野病院の現施設を再利用するか移転新築するかも検討する。会合では、県病院局は、老朽化した現施設を再利用する場合、建物の骨組み以外は解体し、改修する必要があるとの見方を示した。吉田淳大熊町長は「利便性の面から新たな場所に新築を望む意見が町議会であった。(新築する場合)新たな場所を提案できるよう町として協力したい」との考えを示した。