製造業の脱炭素対策・支援強化 福島県、年内にもネットワーク組織

 

 2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)の達成に向け、福島県は産業部門で最も多くの二酸化炭素(CO2)を排出している製造業に焦点を当てた取り組みを強化する。年内にも有識者らで構成するネットワーク組織を設立、課題の洗い出しや対応策を協議する。県内の製造業とも情報を共有し、原材料や部品の調達、製造工程での脱炭素が課題とされる製造業でカーボンニュートラルの動きを加速させる。

 ネットワーク組織の形態など詳細は今後詰めるが、有識者のほか、先行的にカーボンニュートラルの取り組みを進めている企業も加わる見通しだ。製造業で導入可能な活動や実践に向けた課題の分析に加え、カーボンニュートラルの考え方についての普及・啓発を目的としたセミナーの開催も想定している。

 県が製造業を対象に行ったアンケートでは「(カーボンニュートラルに)どのように取り組めばいいのか分からない」などの意見が目立った。具体策を提示することで、製造業でのカーボンニュートラルへの機運を高める。県はネットワーク組織で出された意見を参考に来年度以降の支援制度の構築を検討する方針。

 県内の産業部門のCO2排出量は【グラフ】の通り。18年度の県内の製造業におけるCO2排出量は466万9千トンで、産業部門の排出量(517万4千トン)の約9割を占めた。製造業での取り組みを強化することで、県内から排出されるCO2の抑制を図りたい考えだ。

 県は21年2月にカーボンニュートラルを宣言。今年5月には産業、運輸、民生業務、民生家庭、廃棄物・その他の5部門ごとに30年、40年の温室効果ガス排出量の削減目標値や、推奨される取り組みと施策などを盛り込んだロードマップ(工程表)を全国に先駆けて作成した。

 県は本年度、県内企業の脱炭素関連産業への参入支援を目的に、技術開発に先立って行われる事業化可能性調査の費用を補助する制度も構築しており、「産業部門での二酸化炭素排出削減に向けた体制づくりを進めていく」(次世代産業課)としている。