借金返済で公金詐取再開か、若松市元職員 動機「覚えていない」

 

 会津若松市の元職員が児童扶養手当など約1億7700万円をだまし取った問題で、市に刑事告訴された元障がい者支援課副主幹(51)が児童扶養手当の詐取を始めた2019年ごろから、親族の借金返済を始めていたことが10日、市への取材で分かった。元副主幹はこの時点で07~09年度に詐取した別の助成金6571万円を使い切っており、市は借金返済を目的に児童扶養手当の詐取を始めたとみている。

 市によると、元副主幹は社会福祉課に勤務していた07~09年度、重度心身障がい者医療費助成金をだまし取った後、別部署に異動した。18年度にこども家庭課副主幹になり、着任2年目の19年度から昨年度にかけて、児童扶養手当1億1068万円を詐取した。

 児童扶養手当の詐取が発覚した当時、元副主幹は現金、預金などで5千万円以上を所持していたという。市は、これらの現金や生命保険の解約、車の売却などにより計9112万円を回収した。

 市によると、元副主幹は聞き取り調査に、最初に助成金を詐取した動機について「覚えていない」と話しているという。当初から調査に非協力的な姿勢でほかの質問にも「分からない」と答えることが多かった上、資料の提出を拒んだこともあった。市が業務用パソコンの履歴などの不正を裏付ける資料を見せると話し始めたり、以前の発言を翻したりしたという。

 法令順守意識を徹底

 今回の問題を受け、市は職員向けの研修会を早急に開き、法令順守(コンプライアンス)の意識を改めて徹底させるなど再発防止を図る方針だ。

 室井照平市長は9日の記者会見で、書類のチェック体制に不備があったことを認めた上で「再発防止に向け、全庁的に取り組む」と述べており、市は各部署のチェック体制を再確認する。