東邦銀行、増収減益 4~9月期、コスト改革や特別付利が後押し

 

 東邦銀行が11日発表した2022年4~9月期連結決算は、経常収益が306億8700万円(前年同期比2・6%増)、経常利益が39億8800万円(同25・6%減)、純利益が25億1300万円(同32・4%減)の増収減益だった。

 厳しい経営環境にあり、利回りの低下で貸出金利息が減少した。海外金利の上昇など市場の急激な変動を背景に投資信託の買い控えが見られ、金融商品の販売が振るわなかったほか、シンジケートローン(協調融資)の新規組成も減り、手数料収入が伸び悩んだ。

 コスト構造改革を進め、銀行単体では経費を前年同期から約6億円圧縮した。経費削減などに取り組む地域金融機関を支援する日銀の特別当座預金制度(特別付利)も後押しとなり、本業のもうけを示すコア業務純益は64億7700万円(同21・7%増)だった。

 一方、減益は市場の急激な変動が響いた。有価証券の運用では回復の見込めない投資信託を解約し、約12億円の損失を計上。安定的な利息配当の確保のため積み上げてきた債券も評価損が膨らんだ。国債や地方債は元本割れのリスクが低いため、原則として満期まで保有するとしている。

 中間配当は1株当たり3円50銭。期末配当も同額を予定している。

 また、投資信託の解約損などを踏まえ、通期の業績予想を下方修正し、純利益を従来予想の55億円から51億円に引き下げた。

 新型コロナウイルスで影響を受けた中小企業の資金繰りを支援する実質無利子・無担保融資については取引先の約7割が返済を始めている。

 与信関係費用は通期で前年より2億円少ない21億円を見込んでおり、福島市の本店で記者会見した佐藤稔頭取は「現時点で返済ができなくなる企業は少なく、与信関係費用が大きく悪化するとはみていない」と説明した。その上で、物価やエネルギーコストの上昇に伴う取引先への影響に警戒感を示した。