磐城、コロナで決勝棄権 福島県高校ラグビー、勿来工が花園へ

 

 福島県高体連は11日、ラグビーの第68回県高校体育大会・第102回全国高校大会県大会に出場していた磐城の関係者に新型コロナウイルス感染が確認されたため、棄権したと発表した。

 12日の決勝で対戦予定だった勿来工は不戦勝で優勝となり、25年ぶり6度目の全国大会出場を決めた。全国大会は12月27日に大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。12日は壮行試合として、優勝した勿来工と県高校選抜が対戦する。Jヴィレッジスタジアムで午後0時35分開始予定。

 磐城涙「誰も悪くない」

 ラグビー部の関係者に新型コロナウイルス感染が確認された磐城は、花園出場を懸けて臨むはずだった県大会の決勝を棄権した。木田竜晟(りゅうせい)主将(3年)は「事実を受け入れるしかない」と悔しさを押し殺しながら後輩たちに思いを託した。

 決勝を前日に控えた11日午後、磐城の部員らは練習前のグラウンドで決勝棄権の決定を知らされた。チームを率いる佐藤芳弘監督は「やってきたことは間違っていない。誰が悪いわけでもない」と肩を落とし「3年生はみんな泣き崩れていた」と当時の様子を明らかにした。

 佐藤監督は2020年に磐城に赴任し、部長を経て昨年からチームの指揮を執っており、現在所属する部員と共に花園出場の夢へと歩んできた。「3年生と一緒にやってきた。積み重ねてきた努力を一番知っている。試合の場がなくなるのは残念だ」と唇をかんだ。

 「3年間のいろいろな思い出がよみがり、込み上げるものがあった」。木田主将は決勝棄権を知った瞬間のやるせない思いを振り返る。県大会2連覇と花園1勝の目標は不意に絶たれたが、後輩に向け「次の代で達成できるように頑張ってほしい」と願った。

 勿来工「思い背負って」

 磐城の棄権に伴い県大会優勝校となった勿来工は、今年の県総体で関係者の新型コロナウイルス感染確認により3位決定戦を棄権した。それだけに、鈴木悠斗主将(3年)は「試合をしたくてもできない気持ちは分かる。磐城や(県大会を2回戦で棄権した)平工の思いを背負って戦いたい」と花園での躍動を誓った。

 小松傑(たけし)監督は「(勿来工の)選手にも(磐城と決勝を)戦いたいという思いがあったし、花園に行く実感も湧かないと思う」と複雑な心境を口にした。2年前まで磐城の監督をしていた小松監督。「3年生にとっては最後の大会。(個人的にも)戦わせてあげたかった」と磐城フィフティーンを思いやった。

 勿来工の花園出場決定を受け、内田広之いわき市長は「花園出場を果たせなかった同志の分まで精いっぱい頑張ってほしい」とコメントを発表した。