44年ぶり「みこし行列」 葛尾・野川の八幡神社で例祭

 
「みこし行列」を繰り広げる参加者たち

 葛尾村野川の八幡神社は12日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故前の2010年以来、12年ぶりに秋の例祭を開いた。例祭は震災で傷んだ社殿の改築に伴う遷宮祭とし、44年ぶりに「みこし行列」も繰り広げた。学生らがみこしを担ぎ、疫病退散や五穀豊穣(ほうじょう)などを願って村内を歩いた。

 八幡神社は平安時代に建てられた。みこし行列は1978(昭和53)年まで約90年にわたり続いたが、高齢化や氏子の減少などで途絶えた。例祭も震災と原発事故の影響で中断した。

 原発事故の影響で村内は住民の居住率が約3割にとどまる中、「伝統を復活させて地域を再興しよう」と氏子総代長の松本忠彦さん(87)らが準備を進めてきた。総代会で新しいみこしを購入し、地域おこしに取り組む一般社団法人葛力創造舎の協力を得て、若い担ぎ手を集めた。

 遷宮祭には井瀬信彦宮司(91)らが出席。神事の後にみこし行列が行われた。福島大や日大の学生ら約20人が参加し、神社と村復興交流館あぜりあまでの道のりを往復した。

 松本総代長は「葛尾には素晴らしい伝統があることを若い人たちに伝えることができた」と話した。