災害時の文書管理議論 富岡でシンポ、「紙とデータ、両方重要」

 
震災当時の公文書の扱いについて報告する阿部係長

 国文学研究資料館のシンポジウム「富岡町の地域資料・災害資料・アーカイブズ」は13日、富岡町の文化交流センター学びの森で開かれ、参加者が東京電力福島第1原発事故で浮き彫りとなった文書管理の課題などについて議論した。同資料館と富岡町の共催。

 富岡町は2011年の原発事故で全町避難を余儀なくされ、役場機能が川内村を経て郡山市に移転。それぞれの場所で震災に関する「震災関連文書」が作られた。報告者を務めた町総務課の阿部祥久総務係長は、当時の状況を「書庫もなく公文書を執務スペースで保管するという、通常時の文書管理規定に基づく管理ができない状況だった」と指摘した。しかも、文書の多くが震災対応を後世に伝える歴史的価値があったが「当時は災害対応がメインで、文書をどのように管理するかまでは意識が至らなかった」と述べた。

 町は行政対応が落ち着いた時に当面の管理方針をまとめたが、時間が経過するにつれて保管場所の問題なども発生したという。阿部係長は必要な文書を必要な時に取り出せるように「日頃から紙とデータの両方で保管しておくことが重要」と強調。現在ある町の震災関連文書の扱いについては「学芸員や専門家の意見を聞きながら、歴史資料として保存と活用を進めたい」と語った。

 このほか、16、17年度に富岡町に派遣され文化財レスキューなどに取り組んだ埼玉県杉戸町職員の米山知宏さんと、国文学研究資料館の青木睦准教授が公文書保管の在り方などについて報告した。

 報告者3人によるパネル討論も行われ、自然災害などが頻発する中で文書をどう保管していくかなどについて意見交換した。